2022 Fiscal Year Research-status Report
相談利益に着目した学生相談への援助要請態度の向上を図る取り組みに関する研究
Project/Area Number |
22K03138
|
Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
松本 明生 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (30406897)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 価値割引 / 学生相談 / 相談メリット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大学生を対象として,カウンセリングを受けることによる利益(メリット)を教示することによって,学生相談への援助要請態度の醸成につながるかを検討することが第一の目的である。第二の目的は,学生相談を受けて得られる利益予期を制御する変数として,行動分析学で研究されている「報酬の遅延・確率価値割引現象」に着目し,大学生の価値割引のパターンに合わせた学生相談への援助要請態度の醸成プログラムを開発することである。2022年度研究では,上記第二の目的を達成するため,①相談利益の遅延・確率価値割引尺度の作成と②相談利益の遅延・確率価値割引が相談利益の認知を損なうのか,について検討することを目的とした。 大学生を対象として研究の実施は遂行したものの,分析に必要なサンプルサイズに達しなかったため,分析は必要サンプルサイズに達してから行うこととした。よって本年度も継続で調査を行うこととする。しかし,次年度予定の調査も前倒しで行っているため,今年度には2022年度と2023年度に実施予定である研究が完了する予定である。また,2022年度以前から進めてきた相談利益の遅延価値割引調査に関する分析は進んでおり,おおよそ相談利益の遅延割引現象は頑健であることが確認された。すなわち,遅延が発生する相談の利益価値を割り引く者は,学生相談で得られるメリットを高く評価しないことが示された。この結果は,今年度に学会において発表予定であり,前年度に始めた研究結果については,今年度以降発表の予定としている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績の概要にも記載したが,サンプルの確保が難しかったこともあり,分析にまで至らなかった点は遅れが生じていると判断されるが,今年度実施分の調査も同時進行したため,全体的な実施状況としては,おおむね順調として判断できると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
おおよそ順調であるため,研究は予定通り進める。また次年度に備えた研究準備も同時に行う予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍によって学外調査が難しくなったことが主な原因で,調査の進行が順調に進まなかった。そのため,調査分析に必要な経費の執行を見合わせたためである。今年度は分析が可能な状況になるため,前年度分の経費執行を行う。
|
Research Products
(3 results)