2022 Fiscal Year Research-status Report
Webによるうつ病休職者・復職者を対象に遠隔支援の在り方、心理的安全性の向上効果
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22K03176
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
近藤 智 目白大学, 保健医療学部, 准教授 (00406571)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | うつ病 / 復職支援 / マインドフルネス / Web版 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究は「Web版復職支援プログラムの開発」「試作運用」の2点が目的であった。 「Web版復職支援プログラムの開発」では①勤労者・休職者共通の心理教育プログラム12週、②勤労者・休職者共通マインドフルネス12週、セルフマネジメントプログラム12週によるWebプログラムを作成した。1セッションは60分-120分からなる。動画及び音声で作成されている。 ②勤労者・休職者共通マインドフルネス12週に関しては、企業研修でも多く取り入れられており、今回MBSRに基づく米国ブラウン大学での認定講師による研修で修得した内容に基づく動画作成とした。特徴はうつ病患者が取り組みやすい内容、短時間からでも実施可能、毎日のホームワークを設定した。座る瞑想、マインドフル・ヨガ、ボティスキャン、歩行瞑想などから1種類をガイド付きで実践。体験の共有も全体時間に組み入れ、いま、ここでの気づきを促すことを取り入れやすくした。 ホームワーク課題が習慣化できるよう課題の報告、府k利帰りの実感、質問可能な工夫を加えた。2022年度は予定通りの進行である。 次に本プログラムを実際に健常者及びリワークスタッフ、心療内科臨床スタッフにそれぞれ視聴していただき、対象のうつ病患者及び一般向けにもわかるよう、用語や表現の改変を行った。試作運用も問題なく進行できた。 加えて心理的安全性という新たなトピックスに着目した研究であり、その点は、研究者自身が文研研究によるまとめや企業セミナーの中で、勤労者の心理的安全性の測定方法やサーべー後の生かし方についてまとめた。そして学会において成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度においての2つの研究目的は順調に達成された。1点目はコンテンツを駆使しクオリティーの高いものにするため、研究者自身が本邦でMBSRに基づくマインドフルネスの第一人者で実践家の下で技術を習得し、新プログラムの開発に生かすことができたこと、内容をより深める上でのWeb、遠隔による教示の仕方を工夫することができた。
心理教育においても心理的安全性やwell-beingのトピックスを取り入れポジティブメンタルヘルスの考え方を取り入れた新たな休職者支援の方向を構築するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はコンテンツを用いて、3群である①一般勤労者、②リワーク通所者、③外来患者における各群ごとによる効果評価の検証を行う。その際、2022年に作成した各コンテンツを使用することとする。各群40名の予定である。 2024年度は介入研究後の復職判定ツールの開発及び企業への提案・普及を実施する。
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Causes of Carryover |
2022年度の研究旅費に関して4つの学会参加・発表において2つの学会でリモートハイブリッド開催であったため、旅費の計上は無し。クラウド使用費は、昨年度外部委託は行わず全てSSD保存のため計上は無しであった。初年度の研究補助員・解析補助においては、データ解析や入力の計上はなく、発表資料作成のためのポスターデザインの計上のみであったため、次年度使用額が生じた。翌年度は今年度使用しなかった臨床評価によるデータ収集、解析のための人員、収集時の研究補助員の雇用、動画データおよび、動画管理クラウドツールの使用料を計上する。 学会旅費等について、日本うつ病学会の他、日本産業保健学会、日本産業ストレス学会での報告を予定しているため、国内旅費の計上を予定している。
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