2023 Fiscal Year Research-status Report
Webによるうつ病休職者・復職者を対象に遠隔支援の在り方、心理的安全性の向上効果
Project/Area Number |
22K03176
|
Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
近藤 智 目白大学, 保健医療学部, 准教授 (00406571)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | うつ病 / リワーク / web介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究計画は、1)研究協力機関である埼玉県・神奈川県内の心療内科・精神科クリニック2か所にて、うつ病休職者の復職に向けたWebによるモデルプログラムの開発と介入の実施した。プログラムの適合性及びパイロット研究の実施である。 1施設での実施を終えた。また現在もう1施設にてモデルプログラムの開発と介入を実施している。詳細は介入群 ①Web介入者約10名、対照群 ②リワーク通所者 約10名、③うつ病外来患者 約10名12週1クール、3クール実施の計画であり現在1施設にて完遂した。 合わせて、アフターコロナ後のリモート勤務の働き方について、休職者は復職に当たりどのような心理的障壁があるのかについて調査研究を行った。 リワーク通所中の休職者を対象に、職場復帰にあたり、テレワーク勤務をどの程度希望するのかを明らかにし、本人達が考えるメリット、デメリットを整理したうえで、復職にとってテレワーク環境下は有用かどうかについて再考することを目的として実施した。結果、32名の休職者を調査し、うつ病休職者のリモート勤務にあたり、職場との関わり、コミュニケーションの取り方に関する治療モデルを導き、国際学会において報告した。 2024年度はさらに例数を増やした介入の継続を行い、導き出された結果に基づき企業への普及・啓発を予定している。 その際、復職の基準、判定ツールの開発も加えているため、企業等に提示する工夫も検討が必要であることが求められる。復職判定ツールの開発は、コンピューターによる判定ツールの開発も行いたいところであるが、その際には大掛かりな別の研究が必要であるため、次回の研究テーマとする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度時点で、臨床介入まで実施できており、概ね、仮説通りの結果が導き出された。 また国内学会3回、国際学会1回において、導き出された結果を報告し、うつ病休職者の対面とは異なる、リモート支援において効果が認められたことを報告した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年の採取年度はもう1か所、協力医療機関において、介入研究の継続を実施する。 本邦においてアフターコロナ後の勤労者の働き方は、諸外国に比べ、対面出社の割合が非常に多いものの、総じてうつ病休職者の職場復帰支援は対面実施が中心であるが、最近では研究ベースにて遠隔による認知行動療法に基づく治療がおこなわれるようになり、本研究との類似性がみられるものの、症状や認知の改善のみならず、休職者を元の職場に戻す働きに対面と同様の成果があること、復職後の再発予防まで、Web上で一気通貫で行い、そのエビデンスを蓄積する視点から、大きく優位性が期待できる。 復職先である企業のほか、休職者の支援を行う医療機関以外の施設や企業においても、研究成果を活用したノウハウは非常に役立つことが期待できるため、最終年度は企業への研究成果の普及までを予定している。
|
Causes of Carryover |
人件費においてはデータ入力および資料作成においては研究者および施設職員により行われたため、人材を雇用し計上することはありませんでした。そのため人件費の計上はありません。今年度は主に復職判定ツールの開発のためのハードウエアーおよびソフトウエア―の利用料、研究成果のための旅費、企業、外部医療機関における啓発普及のためDVD作成の研究費として使用いたします。
|