2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating the roles of contextual stimuli in the formation of habit and addiction
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22K03200
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
神前 裕 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80738469)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 連合学習 / 文脈 / オペラント行動 / 強化スケジュール / 消去後の再発 / 行為と習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に記載した内容のうち、文脈刺激が行動の制御に対して及ぼす影響、特に階層的に行動の表出を「機会設定」する機能についてラットを用いた実験的検証を行なった。まず、長期訓練によって習慣化した行動が、特定の文脈で消去された後に別文脈で再発する時(文脈による更新効果)、どのような連合構造が再発行動を制御するのかについて検証した。具体的には、習慣化した行動は、消去後に習慣として再発するのか、それとも目的的な性質のもとに再発するのかという問題を検証した。ラットを用いた複数の実験から、訓練された行動が消去後に文脈ABA更新効果を通じて再発する時、元の訓練時に行動を制御していた連合構造(行動ー結果連合または刺激ー行動連合)が、同様に再発行動を制御することを明らかにした。さらに、実験手続きとして元の訓練直後ではなく、消去後に行動の強化子を低価値化することで、再発時の行動が刺激ー行動連合による習慣から行動ー結果連合に制御される目的的行動へと遷移することも併せて明らかにした。これは、習慣として確立された行動が消去訓練自体によって目的的性質を取り戻すことを意味しており、文脈による消去と再発の制御という問題を超えて、より一般的に道具的行動の制御過程に関して重要な意義を持った結果である。これらの成果は項目10に記載する通り国際学術誌に査読付き論文として掲載された。 一方で、長期的な道具的訓練に伴い文脈刺激が直接的に強化子を予告するようになるため、これが刺激競合を通じて行動ー強化子連合を弱める、すなわち習慣形成を強めるという仮説に関しても複数の追加実験を実施したが、結果は総じて仮説を支持しないものであった。この問題については、条件を変えて次年度においても追試を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、習慣化した自発行動に対して文脈刺激が及ぼす制御過程について新規かつ重要な知見を得ることができ、その成果は査読付き論文として国際誌に掲載を行なった。一方で、文脈刺激が直接的に行動ー結果連合との間に連合的競合を引き起こすことで習慣形成が促されるという仮説については、さらに検証を重ねる必要があり、また、習慣から依存への進展を検証する実験については進捗が予定よりやや遅れている。これらを踏まえ、全体としては「おおむね順調に進展している」と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、特に習慣から依存への進展の問題について計画書に記載した通り実験を遂行し、並行して成果を論文または学会において発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた実験計画の一部をそれまでに得られた実験の結果を受けて変更し、それにしたがい実験の一部を次年度に遂行することに変更したため。
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