2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K03216
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
根岸 一平 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (30644984)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 色覚多様性 / 2色覚 / 輝度変化 / 色弁別 |
Outline of Annual Research Achievements |
心理物理実験の結果、正弦波状に輝度が時間変化する刺激において、ほとんどの被験者は3%程度のコントラスト差であれば位相差にかわら振幅幅の弁別が可能であることがわかった。しかし、2割程度の被験者は弁別のために必要なコントラスト差が6%程度となっており、実験結果に他に不審な点がなかったことからこの差は個人差に由来すると考えることができる。そのため、個人差まで考慮すると弁別閾値として10%程度を設定する必要があるのではないかと考えられる。これらの研究結果について、2013年10月に行われた電子情報通信学会ヒューマン情報処理研究会において発表を行った。 振幅ではなく位相または周波数を用いた色弁別の可能性について、位相に関してはその差を定量的に把握することが困難なことから難しいことがわかった。周波数についてはディスプレイのリフレッシュレートによる制約が大きく、やはり現時点では実現は難しいことがわかった。そのため、本研究では輝度変化の振幅を用いて色情報の補償を行うものとする。 また、この原理を利用した色補償アプリケーションの開発について必要な機材を導入し、ソフトウェアの導入など開発環境の構築を行った。ソフトウェア開発においてUIを設計する必要があるが、タブ方式とツリー方式での表示の違いによるUIの使いやすさについての実験を行い、タブ方式の方が操作時間が短く使い心地もよりという結果が得られたため、本ソフトウェアでも同様の表示方式を採用するものとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アプリケーションの作成について、開発環境は整っているものの実際の開発には着手できておらず計画よりも進捗が遅れている。また初年度の実験プログラム作成における遅延についてもリカバーしきれておらず当初計画よりも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
この輝度振幅の弁別閾値を色弁別閾値と対応させることで色情報を輝度新服に変換し、これによって色弁別の代替を行うことができるかどうかを検証する必要があるが、そのための実験プログラムの作成および実験の実施を行う必要がある。 上記の実験結果も考慮した上で、色補償プログラムを完成しアプリケーションとして利用できる形式にする。
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Causes of Carryover |
現時点までで実験は全てボランティアの被験者で行われており被験者者金の支払いが生じていないため。
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