2022 Fiscal Year Research-status Report
レゾナントパラメータを持つA-超幾何微分方程式系の代数的・組み合わせ論的研究
Project/Area Number |
22K03241
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 睦 北海道大学, 理学研究院, 教授 (70215565)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | A-超幾何微分方程式系 / フロベニウスの方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲルファント流のA-超幾何微分方程式系は,トーリックイデアルで定義されてあり,代数幾何学におけるトーリック多様体のように,種々の不変量が組み合わせ的言葉で記述できる。パラメータがジェネリックの場合は,ある程度記述できているが,パラメータがレゾナントのときは,容易ではない。以前,A-超幾何微分方程式系の分類を考察したときに定義した組み合わせ的な概念(Aの生成する半群,Aの面,パラメータベクトルによる)で,A-超幾何微分方程式系の全ての不変量は記述できる筈で,それらの記述を行うことが本研究の目的である。とりわけ,ランクの簡便な記述を目的とする。 また,A-超幾何微分方程式系の解の具体的記述も目的である。特に,フロベニウスの方法を用いたlog解の構成を行い,基本解の構成を目指す。 2022年度においては,主に最も基本的なA-超幾何微分方程式系である青本-ゲルファント系について考察した。解の構成やその他の概念においてもAの凸包の3角形分割を考えることをしなければいけない。(正則)3角形分割全体を記述するのがセカンダリー・ファンと呼ばれるものだが,最も基本的な青本-ゲルファント系でさえ,具体的には良く分かっていない。青本-ゲルファント系のAの凸包の3角形分割として良く知られたステアケース3角形分割というものがある。しかし知られていることだが,Aの凸包が(2次元の)3角形の直積になるような非常に小さい場合でさえステアケースでない3角形分割がある。その例について確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,もともと予備的な研究の予定であったが,先行研究に追いつくところで終わってしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
青本-ゲルファント系のAの凸包の3角形分割について,ステアケースでない3角形分割を系統的に考察する。 A-超幾何微分方程式系については,フロベニウスの方法の定理のさらなる改良と重要な特殊例への適用を多数行いたい。
|
Causes of Carryover |
他の業務で多忙であったことと,新型コロナウィルス防止の観点から研究集会はオンラインとなるなどにより,出張を全く実行することができなかった。 新型コロナウィルスの影響が小さくなったので,次年度使用額で,研究集会等へ参加したり,研究者を招へいしたりと研究交流を進展させたい。
|