2023 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive study of various geometries with harmonic maps to symmetric spaces as a core
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22K03304
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 真平 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40408654)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ガウス写像 / 調和写像 / タイヒミュラー理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,3本の論文を仕上げ国際誌に投稿し現在査読中である.各論文はそれぞれ,パラ複素射影空間の部分多様体のループ群を交えた一般論に関する論文,3次元双曲空間内のガウス曲率一定曲面の分類についての論文,複素構造の変形を記述するタイヒミュラー理論と可積分系についての論文である.これらの論文は,すべて本研究課題の研究目的「曲面から対称空間への調和写像」が研究成果を得る鍵となっている.1つ目の論文では,まずパラ複素射影空間の部分多様体についての一般論からはじめて最後に2次元パラ複素射影空間の極小ラグランジュ曲面についてガウス写像の調和性を用いた特徴づけを与えた.2つ目の論文では,3次元双曲空間内のガウス曲率一定-1< K< 0曲面の分類を,正則2次微分を用いて行った.ここでは,調和性を持つラグランジュガウス写像の変形を考え,よく知られている対称空間である双曲平面への調和写像を誘導することが鍵となった.最後の論文は,近年発見されたcomplex landslide flow と呼ばれるタイヒミュラー空間上のflowを可積分系の観点から捉え直したものであり,2つ目の論文の内容と密接に関連があり,今後さらなる発展が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3本の論文を仕上げ投稿することができ,順調に研究が進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,対称空間への調和写像を用いて種々の幾何を研究していく予定である.また国際共同研究も推進していく.
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Causes of Carryover |
日本数学会の年会に出席予定であったが,諸事情により取りやめにしたため残額が生じた.2024年度に改めて日本数学会の会合に出席する予定にしている.
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