2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K03328
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 政晴 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (30516480)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関数空間 / スペクトル合成集合 / フーリエ・ルベーグ空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「ユークリッド空間 R^n における単位球面 S^{n-1} (すなわち、原点からの距離が1となる R^n 上の点 x の全体)がフーリエルベーグ空間 FL^q_s(R^n) において、スペクトル合成集合になるための必要十分条件は何か?」について研究を行った。ここでフーリエ・ルベーグ空間 FL^q_s(R^n) とは、フーリエ変換が重み付きルベーグ空間 L^q_s(R^n) に属するような関数全体であり、調和解析及び偏微分方程式の研究において重要な役割を果たす関数空間の一つとして知られている。スペクトル合成の研究は「ある関数fが集合E上でf(x)=0であること」と「ある関数fが集合Eの近傍でf(x)=0であること」の違いを明らかにするために始まったものであり、古くから研究が行われている。特にフィールズ賞を受賞したローラン・シュヴァルツが n ≧ 3 の場合は単位球面 S^{n-1} はフーリエ代数 A(R^n) (フーリエ・ルベーグ空間 FL^q_s(R^n) において q=1、s=0 の場合に対応する関数空間)においてスペクトル合成集合にならないことを証明し、多くの研究を驚かせた。スペクトル合成の研究は偏微分方程式の解の一意性問題にも応用されており、多くの研究者によって現在も研究が行われている。本研究では、古典調和解析の方法やGabor解析の研究において蓄積した知識や方法を用いて、単位球面 S^{n-1} がフーリエ・ルベーグ空間 FL^q_s(R^n) において、スペクトル合成集合になる(またはスペクトル合成集合にならない)ための n、q および s に関する条件を明らかにした(佐藤圓治名誉教授(山形大学)と共同研究)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スペクトル合成の研究はとても面白い問題であると同時に、かなり難しいテクニックを要するので、今回フーリエ・ルベーグ空間における単位球面がスペクトル合成集合になるための条件が見つけられたことに満足している。また、得られた成果は論文にまとめて、現在投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られた成果は「フーリエ変換のL^2理論」や「特殊関数(ベッセル関数など)の基本性質」を用いたため、「q に関する制限」や「考える集合の形」に制限がついているが、更に研究を発展させ、「S^{n-1}がスペクトル合成になるための条件」の完全版や「S^{n-1} 以外の集合がスペクトル合成集合になるための条件」の解決に役に立つことが期待できる。2024年度はこの課題に取り組む。この他に2024年度はモジュレーション空間におけるスペクトル合成集合の研究についても研究を行う。
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Research Products
(9 results)