2022 Fiscal Year Research-status Report
Asymptotic analysis and behavior of free boundary for nonlinear parabolic problems
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22K03387
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
関 行宏 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50728970)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 非線形放物型問題 / 特異性解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、半線形熱方程式や調和写像流方程式に代表される非線形放物型方程式に対する特異性解析の研究を発展させ、その解析手法を数学的に関連の高い自由境界値問題に応用することで、対象物の形状に関する漸近的性質を明らかにすることを目標としている。
研究テーマとしては代表者による従来の研究を発展・拡充させたものであるが、現段階では前者二つの非線形放物型方程式に対する研究を優先して行っている。調和写像流における特異性解析においては典型的と見られる特殊な解に対しては知られていた定量的性質が一般の解に対してもやはり重要な役割を果たすことが分かった。特に研究計画で主要な道具として解析手法の一つとしていた1次元2階放物型偏微分方程式に対する零点数定理を適切に用いることで、一般の爆発解に対して予想される重要な定量的性質を確かめることができた。一方で、この問題に対する予定していた研究においてやや遅れを取っているため、予定していた自由境界値問題の研究には十分な時間を取ることが出来なかった。 なお、研究予算については関連する研究課題で繰越再延長の手続きを行ったため、柔軟に使用することを選んでいる。特に物品購入等については研究機関の異動が予定されていたため、至急のものを除いて次年度以降に購入することにして、主に学会参加のための旅費に使用した。基金制度を最大限に活用することによって情報収集を継続的に行うことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の困難な状況下から平時へ完全には戻っていないこと、研究代表者の所属研究機関の変更があり、研究環境の再整備に時間を要していることも研究の進展に影響を及ぼしているともいえる。後者は一時的なことなので、本課題の全体における影響はそこまで大きくはならない。本課題は、新型コロナウイルスの感染拡大の状況で計画したものであるため、当初よりある実行の段階で多少の遅延が起きる可能性はある程度想定していた。そのことも考慮して研究期間を比較的長く設定している。ただし、研究は予想以上とは言えないものの、着実に進展している箇所も多いことを付記しておく。
以上の理由により、該当の区分を選択をした。
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Strategy for Future Research Activity |
長く続く新型コロナウイルスの感染状況も徐々に終息の兆しが見られ、研究活動も平時のものに戻りつつある。特に、対面での研究集会の開催や研究打合せ等が かなり再開されてきたことは研究の推進に確実に良い環境であると言える。これらの機会を積極的に利用して様々な専門家と議論を深め、研究を深めてゆく。また、必要ではあるものの緊急性を要しない物品等の購入し、研究環境の再整備も早急に実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に関連して、他の研究課題において最終年度の再延長を行った。そのため、予定していた研究発表の機会が減少したため、研究予算の使用計画に変更が生じた。また、研究代表者の研究機関変更があったため、緊急のものを除いて物品購入等を次年度以降に行うことにしたため、初年度の予算繰り越しが生じている。このほか、延期されていた研究集会への参加旅費等を中心に使用することを予定している。
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