2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of spontaneously reciprocal formation processes of radial transport and plasma rotation in plasmas with impurities
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22K03574
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本多 充 京都大学, 工学研究科, 教授 (90455296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 裕貴 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 六ヶ所核融合研究所 核融合炉システム研究開発部, 主任研究員 (60836162)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 核融合理論・シミュレーション / 新古典輸送 / 径方向電流トルク / 両極性輸送 / 運動量保存 / 自己随伴性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の成果は大きく2つに分かれ、一つは不純物の新古典両極性輸送理論に関わる数学的証明を行ったこと、もう一つは不純物存在下において高速中性粒子ビームを入射した際に生じる径方向電流トルクのモデルをTASK/TXシミュレーションによって検証したことである。 新古典輸送を記述するドリフト運動論方程式の線形化衝突演算子は線形化の過程でランダウ演算子の何らかの性質が近似的にしか成立しなくなる。線形化の影響をどの性質に押しつけるかで複数のモデルが提案されているが、どの性質を保持したモデルをどのコードで、あるいはどのような状況下でもちいるかについては明確な指針はなかった。モーメント法による新古典輸送計算において、衝突演算子の持つ運動量保存の性質のみだけで両極性輸送が保証されること、トカマクにおける径方向輸送とポロイダル回転の径電場からの独立性は、運動量保存に加えて衝突演算子の自己随伴性がないと保たれないことを、初めて数学的に証明した。また、モデルの適切な選択に対する指針も与えた。 ビーム入射された高速中性粒子はプラズマ中で電離、荷電交換によって高速イオンとなり、そのドリフト軌道の大きさから荷電分離が生じて径方向電流が流れ、それが径方向電流トルクとなってプラズマ回転を駆動する。高速イオンの軌道を追跡するモンテカルロシミュレーションでは高速イオン径方向電流が評価できるので、それを打ち消すようにプラズマに流れる径方向電流を結果として評価できるが、電流の粒子種ごとの内訳を知ることはできなかった。モンテカルロコードではこの現象は分極ドリフトであると仮定してモデルを作り、粒子種ごとの内訳をこれまで計算してきたが、その妥当性を検証する必要があった。TASK/TXが不純物拡張されたために検証が可能となり、検証の結果、分極ドリフトモデルで現象を良く再現できることが確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までの成果で、申請書に謳っている3課題(a)(b)(c)のうち、2課題(a)(c)を達成済みとなった。そのため、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に実施した不純物ソースモデルの各係数の検討を継続し、調整係数を減らせるようモデルの改良を行う。 残された課題である、乱流輸送モデルの導入に向けた取り組みを進める。大規模な乱流輸送モデルはそのままTASK/TXに導入するにはあまりにも計算時間が掛かりすぎるため、高速に動作する代理モデルの開発が肝要となる。機械学習を用いたこれまでにない方法による代理モデルの構築に取り組む。
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Causes of Carryover |
昨年度の支出額は昨年度の助成額とほぼ同じであり、残額は主に一昨年度の残額がそのまま持ち越された形となる。今年度は主に海外での成果発表に支出予定であり、円安である事から申請時予算よりも多額の経費が必要となるため、それに充てられる。
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