2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K03734
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
西田 尚央 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40587317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 和彦 琉球大学, 理学部, 教授 (00343377)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コンターライト / 南西諸島周辺海域 / 黒潮 / 底層流 |
Outline of Annual Research Achievements |
南西諸島周辺の深海域 214 地点から得られた泥質堆積物試料を対象に,粒度分析および粘土鉱物組成分析を行った.このうち粒度分析は,酸処理により有機物と炭酸塩粒子を除去して陸源性細粒砕屑粒子を対象に,レーザー回折式粒度分析装置を用いて行なった.その結果,全体として粒度と水深との一定の対応関係が認められた.また,沖縄トラフのより南部の海域に比べて,より北部の沖縄島周辺海域の方が相対的に粗粒であることがわかった.一方,粘土鉱物組成の分析は,水ひ法により粘土粒子を濃集させて定方位薄片を作製し,エックス線回折装置を用いて行った.また,一部の試料についてはモンモリロナイトの同定のため,エチレングリコール処理を行った.その結果,全体として白雲母とクロライトが主要な構成要素であることがわかった.これに対し,モンモリロナイトは,沖縄トラフの南部の海域でのみ分布が認められ,北部の海域では認められなかった. 海域内における陸源性細粒砕屑粒子の粒度分布の違いは,海底面に影響する底層流の流速の違いを反映すると考えられる.すなわち,北側の海域で大きく南側の海域でより小さいことを示す.また,このことをふまえると,モンモリロナイトが南側の海域でのみ分布することは,底層流の流速変化を反映した泥質粒子の運搬と堆積を示す可能性が考えられる.すなわち,検討対象とした深海域に分布する泥質堆積物は,黒潮の影響を受けた底層流の影響によって運搬・堆積されて形成されていると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海底堆積物試料を対象とした分析が順調に進んだ.また,陸上地質の予備調査も実地した.
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Strategy for Future Research Activity |
海底堆積物試料の解析結果を整理して,堆積物の特徴と底層流の対応関係を指標化する.それをもとに,陸上露頭の堆積物に適用を試みる.
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Causes of Carryover |
現地調査の内容と日程を当初計画から変更したため.翌年度実施計画にその内容を含めて実施する予定である.
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