2022 Fiscal Year Research-status Report
ポテンシーテンソルインバージョンに基づく震源過程の多様性の解明
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22K03751
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八木 勇治 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50370713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深畑 幸俊 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10313206)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 震源過程 / インバージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
ポテンシー密度テンソルインバージョンの登場により、複雑な震源過程を有する地震の解析を安定に行うことが可能になっただけではなく、断層情報を遠地実体波P波から抽出することが可能となった。ポテンシー密度テンソルインバージョンは従来の有限断層インバージョンより自由度が2.5倍になった。自由度が増加したが故に、安定した解を得るために、より強いスムージングが必要となり、得られる地震像はぼやけてしまうという問題があった。本研究課題では、この問題を遠地実体波P波の性質を利用する"time-adaptive smoothing constraint"を用いることによって解決することを目標としている。 本年度は新たな拘束条件を定式化し、その効果をまず数値実験で検証した。複数の異なる断層形状を持つ断層破壊を設定し、新たな拘束条件の効果を検証したところ、従来の拘束条件では、すべり量が大きくなる時間帯でオーバースムージングが発生する一方で、当たらな拘束条件ではその問題が解決されることを確認した。 さらに、実地震(2002年アラスカ地震、2008年四川地震)に適用して、新手法が適切に作動するか検証したところ、適切に作動し、安定かつ詳細な震源過程を推定することが可能であることを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初目的であった新しい解析手法の開発に成功し、数値実験と実地震への適用によってその有用性を示すことに成功し、その成果を国際雑誌に掲載することができたら。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに開発した解析手法をさらに高度化できるか検討を行う。また、新しい解析手法を多くの地震に適用して、多様な震源過程の実像を明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で打ち合わせ等はオンラインで行ったため。また、本研究課題のコアとなる論文は、掲載費用がかからない国際雑誌(GJI)に掲載されたため。
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