2022 Fiscal Year Research-status Report
Raspberry Pi 搭載型ハーバート硬さ試験機の適用可能性
Project/Area Number |
22K03823
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松原 雅昭 群馬大学, 大学院理工学府, 名誉教授 (10241861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 良祐 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (10612400)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 硬さ試験 / 自由減衰振動 / 減衰定数 / 固有角振動数 / IoT / Raspberry Pi / Python |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、いまだに開発されていない「最も硬いものから、最も軟かいものまですべてにわたって、そしていろいろの目的にもよく適用できて、しかも同じスケールで表し得るようなもので、そのうえ十分な精度と感度と使い易さをもつような硬さ試験機」の実現を図る。この目的のため、金属のみならず非金属をも硬さ評価対象とでき、ドリルやフライスの刃先といった特殊形状にも対応可能であることが示唆されているハーバート硬さ試験機に着目する。研究代表者らはハーバート硬さ試験機の持つこの特徴を活かしつつ、Raspberry Pi および無線加速度計を搭載させた試験機を製作し、オリジナルの試験機が有していなかった「十分な精度と感度と使い易さ」を実現する。製作されるRaspberry Pi 搭載型ハーバート硬さ試験機によって試験中における試験機の自由減衰振動データを自立処理し、研究代表者らが提案したマツバラ硬さを評価できるようになる。 令和4年度については、自立測定可能なハーバート硬さ試験機を製作できた。また、マツバラ硬さの評価機能などの試験機の性能評価および温度ドリフトがマツバラ硬さに与える影響の調査を行った。 1)製作したハーバート硬さ試験機でマツバラ硬さなどの硬さ評価が可能であること確認した。 2)レーザ変位計との評価結果の比較を行い、評価精度を検証した。 3)試験中の加速度センサの温度変化を測定できるため、温度変化がマツバラ硬さに与える影響を調べたが、その影響はほぼ見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度主要目的であった下記内容のRaspberry Pi搭載型ハーバート硬さ試験機を製作できた。 1)ハーバート硬さ試験機にRaspberry Pi および無線加速度計を搭載させている。 2)Raspberry Pi に取り込まれたデータを処理して(使用プログラミング言語:Python)、試験機が自立して各種硬さ(減衰硬さ、周波数硬さおよびマツバラ硬さ)を評価できる。 3)液晶タッチスクリーンにより硬さ評価などをタッチ式で容易に行える。 これらによってオリジナルのハーバート硬さ試験機と比較して、「十分な精度と感度と使い易さをもつ硬さ試験機」を実現している。Raspberry Pi 搭載型ハーバート硬さ試験機により試験機外の計測系に依存することなしに試験機が自立して硬さ評価を行え、現場等での硬さ測定および臨機応変な利用が可能となっている。Raspberry Piの使用により試験機の IoT 化を図ることで、計測現場と管理部門との間の迅速なデータの遣り取りができる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)マツバラ硬さが「既存の硬さ値と同じスケールで表し得るのか」の検討。 各種硬さ基準片に対してハーバート硬さ試験を行い、マツバラ硬さとこれら既存硬さ値の関係を調べる。結果として、マツバラ硬さが既存の硬さ値と同じオーダーの値スケールで表示し得るかを検討し、得られたデータの範囲内で既存硬さ値との間の硬さ換算表を作成する。 2)マツバラ硬さが「硬い材料から軟らかい材料までかついろいろの目的に適用可能であるか」の検討。 「いろいろの目的に適用可能であるか」の検討のひとつとして、刃物の刃先を模擬した金属材料試験片を準備して、その刃先硬さ評価への適用可能性を検討する。岩石、金属材料、複合材料、木材および高分子材料などでマツバラ硬さの評価を行い、「硬い材料から軟らかい材料まで統一した硬さ値表示」がマツバラ硬さによって可能であるかを検討する。
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Causes of Carryover |
令和4年度は本研究の主目的であるRaspberry Pi搭載型ハーバート硬さ試験機の製作に注力した。このため、取り敢えず既有のブリネル硬さ基準片を用いてマツバラ硬さとの関係を調べた結果、消耗品費に未達が生じた。令和5年度について、ブリネル硬さ基準片以外の硬さ基準片および供試材料(刃物など)の購入に充てる予定である。 令和4年度は正規技術職員の協力を得て試験機製作を進めたため、人件費・謝金(研究補助者雇用)に未達が生じた。令和5年度については適切な人材に研究補助を依頼する予定である。
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