2022 Fiscal Year Research-status Report
ベイズ最適化を融合した亀裂レスな傾斜組成超硬合金層のレーザ粉体肉盛プロセス開発
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22K03851
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
山下 順広 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60592607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國峯 崇裕 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (90612705)
佐藤 雄二 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (40422547)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Laser metal deposition / Cemented Carbide / Acoustic Emission / Crack |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザ粉体肉盛法により超硬合金の肉盛ビード形成(長さ10mm)を行い、その時のき裂発生状況をAEセンサにより評価した。AEセンサには、100KHz~1MHzの周波数特性を有する広帯域AEセンサを使用し、サンプリングレート2MHzでAE信号のデータを取得した。き裂発生の有無は、取得したAE信号に現れる突発型波形により判断し、その数をき裂数としてカウントした。基材には、治工具になどに活用されているモリブデン系高速度工具鋼鋼材を用いた。粉末には、16mass%WC-Co~92mass%WC-CoのWC割合の異なる8種類の超硬合金粉末を用いて実験を行った。本年度は、この複数の超硬合金粉末を用いてWC割合が及ぼすき裂発生への影響を調査した。WCの含有率が30mass%以下では、き裂の発生は認められなかった。一方、WCの含有率が43mass%以上では、き裂の発生認められ、その数は、WC割合が高くなるほど多い傾向となった。き裂の発生形態を観察すると、横割れがほとんどであったが、高WC割合において一部縦割れも認められた。レーザ照射条件は、レーザ光出力を変えて実験を行った結果、レーザ光出力が高いほどき裂の発生が多くなる傾向であった。以上、本年度は、高WC割合ほどき裂の発生がしやすくなり、その発生形態に違いがあることを確認した。さらにレーザ投入エネルギー量が大きくなるほど、き裂数が増加することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度実施予定の傾斜組成層の実現に向けた事前実験データを得ることができた。よって、本研究の目的達成に向かって概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られたWC割合の違いによるき裂の発生頻度の結果をふまえて、今後は中間層の検討を行い、き裂を抑制した傾斜組成層の実現に向けて実験を進める。
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Causes of Carryover |
購入物品の価格変動により購入物品に変更が生じ、それに伴い余剰金が発生した。余剰金は、翌年度の実験に使用する試験片の購入に使用する計画である。
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