2022 Fiscal Year Research-status Report
Physical elucidation and modeling of non-locality in granular flows by full-scale discrete particle simulation
Project/Area Number |
22K03926
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 拓也 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90379123)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 粉体 / 非局所性 / 離散要素法 / レオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,粉粒体が有する非局所性発生メカニズムの詳細解明と,これをべースとした新しいレオロジーモデルの構築を目的に掲げている.初年度として,三次元定常せん断流れ場であり,粉粒体流れの重要な特徴の一つであるせん断帯形成を伴うスプリットボトムセル系を対象としたフルスケール離散粒子シミュレーション(DEM)モデルと,計算から得られた速度や接触力などの粒子データ(ミクロ量)を空間平均化することにより,速度や応力などの連続データ(マクロ量)を取得し,粉粒体のマクロ―ミクロ関係の詳細な検討を可能とするフレームワークの構築を行った. ・壁面に粒子を貼り付けることにより固体壁面上における滑り無し条件を実現し,せん断速度や粒径などの諸量を変化させ計算を行ったところ,平均速度分布について,本計算により実験結果を定量的に再現できることを確認した. ・粉粒体の非局所性を考慮した非局所粉粒体流動度(NGF)モデルに注目した.NGFモデルにおいては,粉粒体流動性を表す流動度が導入されるが,これはマクロ的な考察から導入されたものであり,非局所性を引き起こすと考えられるミクロスケールでの物理量との関係はよくわかっていない.構築したフレームワークに基づき,流動度と粒子スケールでの振る舞いを特徴づける物理量との関係を調査し,流動度が粒子の速度ゆらぎ,局所空隙率,粒径などと関係があることを明らかにした.また,流動度が摩擦係数や反発係数など系のエネルギー散逸を司るパラメータに依存して大きく変化することも明らかにした. ・含水粉粒体の非局所性については,ほとんど知られていない.液添加による液架橋形成を考慮した計算を行い,その影響を調査した.粒子間引力の大きさを表す無次元量であるボンド数に応じて流動度が変化することを明らかにし,付着を伴う粉粒体の非局所レオロジー則を新規に提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フルスケール離散粒子シミュレーションで得られたミクロ量からマクロ量を求めるフレームワークは構築済みである.マクロ-ミクロ関係についての調査を開始しており,特に含水条件については,これらの計算結果から非局所レオロジーモデルの提案までを行えており,概ね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で開発したフレームワークを用いて,今後は非局所性を引き起こす粒子ミクロスケールでの振る舞いを特徴づける物理量の探索と,これらの時空間的な伝播について,より一層詳細な検討を進める.非含水・含水条件での検討を並行して進める予定である.
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