2022 Fiscal Year Research-status Report
Turbulent noise reduction using adjoint lattice Boltzmann method
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22K03929
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
草野 和也 九州大学, 工学研究院, 助教 (10879977)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 流体騒音 / 格子ボルツマン法 / アジョイント法 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
数値解析技術の発達により、車両や家電などの機器の設計時に、流体騒音を予測するとともに、その発生メカニズムを明らかにすることが可能になりつつある。しかしながら、発生メカニズムが明らかになったとしても、どのように形状を修正すれば、流体騒音の発生を抑制できるのかは自明ではない。現状では、個々の問題ごとに経験則に基づく対策が講じられており、流体騒音の低減を目的とした汎用的な設計手法は確立されていない。 本研究では、格子ボルツマン方程式を拘束条件とした変分問題を定式化することにより、流体騒音に対する多数の設計変数の感度を高精度かつ高速に評価可能な随伴感度解析法を構築する。さらに、本手法を用いて円柱および翼を対象に超多自由の形状最適化を実施し、乱流騒音の発生を抑制する新しい後縁形状を創出する。本手法によって、従来の試行錯誤的な設計から脱却し、誰もが計画的に静音形状を創出することが可能になると期待される。 本年度は、LBMにおいて複雑形状を高精度に考慮可能な手法として知られているInterpolated bounce-back(IBB)法を用いた随伴感度解析法を定式化した。本手法により境界面を明確に考慮することができ、従来のように物体を多孔質体として近似する手法に比べて、物体まわりの乱流場を高精度に再現することができる。本手法ついて妥当性および精度を検証するために、一様流中の円柱から発生するエオルス音の最小化問題に適用した。随伴解析によって算出した感度と、設計変数を実際に微小に変化させて差分法によって算出した感度とを比較した結果、両者は良く一致し、定式化の妥当性を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画通り、解析手法の定式化とその検証を行った。その結果、複雑形状を高精度に考慮可能なInterpolated bounce-back法に基づく随伴解析手法を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、次年度は固有直交分解(POD)や機械学習など流れ場の高効率な縮約手法を用いて、非定常の随伴解析において一時保存するデータ量を削減する方法を構築することで、これまで不可能であった大規模な随伴解析を可能にする。構築したデータ量削減・高速化技術について感度評価への影響を検証する。
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Research Products
(4 results)