2022 Fiscal Year Research-status Report
アルミニウム燃焼制御のための包括的反応モデルの構築と実証
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22K03944
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
小口 達夫 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324491)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 燃焼合成 / 反応機構 / 反応モデリング / アルミニウム / 金属酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高温耐性材料として様々な場面で用いられるアルミナ微粒子の気相合成や推進系燃料として検討されているアルミニウムの酸化過程に焦点を絞り,その燃焼中の挙動や,気相から凝縮相へと核形成が進む過程の反応速度論的に観察し,理論で構築された詳細反応モデルを実験的研究から検証し,更に高精度なモデルを構築することを目的としている。 研究計画初年度においては、実験的検証の準備として反応測定装置の基本設計と構築を実施するとともに、並行してこれまでの研究に基づいて不足していると考えられる反応系の探究を推進した。特にAl/CO系の素反応過程に注目し、従来全く検討されていなかった素反応について、段階を追って追跡し、量子化学計算に基づいてその実効性を検討した。その結果、気相反応過程においては、Al原子はCOと直接反応するものの、反応中間体としてAlCOを主として生成するほかに有効な経路はみつからなかった。そこで、AlCOが反応する相手を検討した結果、Al+AlCO, AlCO+AlCO が有効な経路として発見された。これらの反応から生成する中間体は複数の候補があり、それらについても網羅的に探索した結果、最終的な生成物としてはAl2CO, Al2 が有力な候補となったが、気相中でAlがCOのみと反応しアルミニウム酸化物を生成する有効な経路はいまのところ発見されていない。そのため、O2が共存する場合や、Al/CO2系の影響を含んだ反応機構の検討を進める必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来モデルの改良という点においては、Al+CO2, Al+CO 反応系に関する新たな知見を得ると共に、実験装置の基本構造・測定系の実施設計等は概ね終了し、組み立てと試験測定の段階へと進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、Al/O2系に関する実験的検証を進めるとともに、Al/CO/CO2/O2系の反応モデリングの改良を進める。使用予定のレーザー装置が一時的に故障し、その結果として他の研究とのタイム・シェアリング等の都合があり実際の測定には至っていないが、実施効率を向上させるため新たに別のレーザー装置を導入して、早急かつ随時観測ができるようにする予定である。
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Causes of Carryover |
成果発表のために参加した国際会議の実施時期が年度を跨いだ時期であったことにより、旅費等支払いのタイミングが合致せず先送りせざるをえなかったことに加え、実験に掛かる資材・計算機の調達のタイミングが年度内に間に合わず、次年度使用とすることになったため。実際の執行は年度をまたぎ順調に進めており、使用計画に問題は無い。
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Research Products
(1 results)