2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Thermal Contact Resistance Prediction Formula Considering Details of Heat Transport Phenomena in Solid-Solid Contact Surface
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22K03949
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
畠山 友行 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60542363)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 接触熱抵抗 / 予測式 / 固体間 / 熱輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電子機器の高精度な温度予測のボトルネックになっている接触熱抵抗の予測式の開発と、予測式の開発のために必要な固体間接触面における熱輸送現象を解明するものである。具体的には、固体間接触面の単純モデル化を行い、コンピュータシミュレーション (熱伝導解析)と熱回路網法を用いて、接触面の熱輸送現象の詳細を考察し、最終的に接触熱抵抗を算出するための式を提案することを目的とする。 本年度は、予測式開発のために必要な接触熱抵抗の実測値の計測と、コンピュータシミュレーションを用いて固体間接触面の単純モデル化のための単位セルモデルの大きさ及び解析条件の決定方法の検討を行った。 接触熱抵抗の計測においては、計測装置の不確かさの検討を十分に行い、接触熱抵抗を十分に計測できることを確認した上で、酸化しやすい純鉄と、酸化の影響を強く受けないと考えられるアルミニウムを対象に接触熱抵抗の計測を行った。その結果、本研究で採用している計測方法で接触熱抵抗が精度良く計測できること、酸化しやすい純鉄同士の接触面における接触熱抵抗においては、酸化被膜が接触熱抵抗の大きさに影響を与える可能性があることが明らかとなった。 また、コンピュータシミュレーションを用いた単位セルモデルの検討においては、接触面における真実接触部の適切な要素分割の検討を行った上で、実際の接触面の模擬する単位セルモデルを作成するためには、接触面における接触率と接触圧力の関係を高精度に特定する必要があることが明らかとなるとともに、接触熱抵抗の予測式の開発には真実接触部における熱縮流が接触圧力によって変化する影響を考慮する必要があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予測式開発のために必要な接触熱抵抗の実測値の計測と、固体間接触面の単純モデル化のための単位セルモデルの大きさ及び解析条件の決定方法の検討の2項目を行う予定であった。年度終了までに、予定していた2項目を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、接触熱抵抗の予測式の開発である。汎用性のある予測式の開発のためには、様々な材料の接触熱抵抗の実測値が必要不可欠である。接触熱抵抗は、材料の硬度や熱伝導率、表面粗さによって変化する値であるため、今後も、硬度や熱伝導率、表面粗さの異なる材料の接触熱抵抗の計測を引き続き行う。 また、接触熱抵抗の予測式を開発するためには、接触面における熱輸送の詳細を検証する必要があるため、接触面を簡易的にモデル化した単位セルモデルを用いたコンピュータシミュレーションを引き続き行うとともに、接触面の熱輸送状態を表現できる熱回路モデルの作成にも着手し、コンピュータシミュレーションで得た知見を、熱回路モデルに落とし込み、接触面における熱縮流の大きさの定式化への足がかりを作る。
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Causes of Carryover |
コンピュータシミュレーションを行うに当たり、他の研究で使用していたコンピュータが利用可能となったため、年度当初に購入を予定していたコンピュータを購入する必要がなくなった。また、3種類の材料を用いて実験を行う予定であったが、2022年度の目標達成のためには2種類の材料の実験で十分であることがわかったため、材料の購入量が減った。以上の理由により、次年度使用額が発生した。 コンピュータは2022年度のみの限定的な措置であったため、2023年度にはコンピュータを購入予定である。また、汎用的な接触熱抵抗の予測式の開発のためには、より多くの材質の接触熱抵抗を計測する必要があるため、2022年度に実験を行わなかった材質1種類は、2023年度もしくは2024年度に実験を行う予定であるため、今後物品費として計上する予定である。
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