2023 Fiscal Year Research-status Report
物理層セキュリティを用いたイメージセンサ型可視光通信システム
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22K04092
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
鎌倉 浩嗣 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (60344967)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 可視光通信 / 二次元通信路 / 離散フーリエ変換 / イメージセンサ / 物理層セキュリティ / ピーク対平均電力比 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,複数の光源と複数の受信値が二次元的に構成される空間並列伝送型可視光通信(Parallel transmission visible light communication: PT-VLC)システムに注目し,VLC の機密性を向上させる物理層セキュリティ技術を考案するものである.具体的な研究課題は,PT-VLC システムの送信側で行うM点逆離散フーリエ変換(Inverse discrete Fourier transform: IDFT)と受信側で行われるM点離散フーリエ変換(Fourier transform: DFT)のM個の信号が二次元通信路で伝送されるときにそれら信号の配置に設計自由度があるが,この配置の自由度と,M点DFTにおける順序制約を利用した暗号化の方式を提案した.中心的な課題は,提案する物理層セキュリティ技術の実装と,その機密性(耐傍受性)を数値化する評価方法を検討したことにある.PT-VLC の研究のそもそもの目的は,M個の信号を空間方向に配置するとしても,本質的に,OFDM であるため,ピーク対平均電力比が大きくなってしまう問題に対処することであった.限られた線形範囲(ダイナミックレンジ)で,1フレーム当たりのビット数を増加させようと空間周波数の数Nを増やしていくと,高いピーク対平均振幅比(PAPR)によって,信号が歪んでしまい,各空間周波数のPSK 信号を正しく復調できない問題があった.この非線形問題を解決しつつ,1フレーム当たりに重畳する空間周波数数Nを増大させ,受信側で正しく復調できるビット数,結果として,ビットレートを向上させることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに,VLCの機密性を向上させる物理層セキュリティ技術の具体的構成の検討が進み,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書における3年目の実施計画の通り,PT-VLCにおいて,二次元における配列に基づいた公開鍵暗号方式,すなわち,送信機が送り出すときのM個の信号の配置と受信機で認識するM個の信号の配置を同一としないものにしながら,受信側で実行されるM点DFTへの入力は正しいものとなる秘匿の仕組みを実装していく予定である.
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Causes of Carryover |
一旦,発注した計算機が,半導体供給不足から,納品できないということから,一部,備品購入がなかった. 2024年度の使用計画は,総経費の24パーセントに相当する額が計算機購入になる予定である.高フレームレートで撮像する際は,非常に計算機メモリを大量に消費することから,最大限,メモリを搭載した計算機資源の購入になる予定である.また,実験補助者に支払う謝金や,研究成果発表の旅費に使用される予定である.
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Research Products
(5 results)