2022 Fiscal Year Research-status Report
Quantum Key Distribution on Airport Surface for Secure ADS-B
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22K04098
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
金田 直樹 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 主任研究員 (10392797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 裕己 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 上席研究員 (40392782)
塩見 格一 福井医療大学, 保健医療学部, 教授 (60392768)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 量子鍵配送 / ADS-B / 光無線通信 / 航空通信 / 航空機監視システム |
Outline of Annual Research Achievements |
航空交通の安全性確保において航空交通管理のためのインフラが健全に運用されることは,他の社会インフラの場合と同様に必要不可欠であり,最高度のサイバーセキュリティ対策が求められる。現時点において,ノード間で交換される情報の暗号化は有効な対策手法であり,特に量子力学的原理に基づく量子鍵配送方式(QKD)は,暗号文の復号に要する鍵の漏洩を完全に防ぐことが可能であり,従来一般的に利用されてきた公開鍵暗号に比較して決定的に優れている。 本研究は,将来のADS-Bでの応用を想定し,航空交通情報の交換にQKDを利用するための光通信システムについて,実際の飛行場環境において,現状の技術における実現性を検証するものである。 実験室環境の自由空間光学系では光学定盤に光源,鏡(ミラー),レンズ,光検出器などの光学機器や光学素子を配置して光学系を構築するのが一般的であるが,このような光学系は振動に弱く,また光学系のアラインメントはコツや秘訣に頼る部分が多いため,安定した性能を発揮できるよう,光学素子間の結合は可能な限り光ファイバによる光学系を用いた。 また空港面でQKDを行うにはどの波長(周波数)を用いるのが適切であるかを評価するため,伝送損失と波長(周波数)の関係性を評価するために光源と光検出器をそれぞれ2種類用意して比較した。光源側として,狭帯域の光源であるレーザを複数波長の光源と非常に広帯域の光源である白熱電球の2種類,光検出器として,光パワーメータと光スペクトラムアナライザの2種類を用いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光ファイバから自由空間への出射は整合をとれば損失を減らすことができるが,自由空間から光ファイバへの入射は損失が非常に大きいため測定が困難であることがわかった。 光ファイバから自由空間への出射と自由空間から光ファイバへの入射は,相反定理より,同じ部品により構成できると考えていたが,光ファイバのコアが9.5マイクロメートルと非常に細く,入射光をコアの1点に集めることは工作精度の観点から簡単ではなかった。現在は光ファイバではなく測定器の受光部に直接入射させているが,取扱が簡便ではないため,屋外での実験に耐えられるよう改良が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
自由空間から光ファイバへの入射させたほうがよいか,受光部を外出しするかを再度検討しその後の研究の方針を決めていく予定である。得られた成果は、国際会議等で発表する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大が続いていたため研究分担者との対面による打合せができず,旅費等の残額が発生した。
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