2022 Fiscal Year Research-status Report
Growth Evaluation Monitoring System using Plant Bioelectric Potential and Growth Features Based on Growth Images
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22K04152
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
柴田 慎一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 技術職員 (50634309)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 植物生体電位 / 画像処理 / 生育診断 / センシング / 特徴量 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、植物の栽培環境における制御指標として環境要因に応じて変化する植物生体電位と植物の生育画像に着目し、接触型のモニタリング方法である植物生体電位による生育診断では、植物の内部情報の計測による生育評価を試み、日々変化していく環境変化や農作物の状態のモニタリングを行うことを計画した。植物生体電位による環境モニタリングでは、光遮断時における植物生体電位特性として、植物生体電位は環境に影響し、特異な環境に対しては、その積分値が固有な値となることを確認した。植物の成長・発育に影響作用がある単色同一光強度の赤色・青色LED光照射時において、植物生体電位の積分値が光遮断時と比較して高いことが明らかとなっているが、植物生体電位と照射光のエネルギー量に相関があることを確認した。 植物生体電位の時系列データからの環境推論では、植物生体電位の時系列データの特性曲線や積分値から環境情報による推論を計画した。生体電位は複数の外部刺激による環境要因の影響を受けており、目視での植物生体電位による環境要因の判断・識別が困難と考えられる。そこで、植物生体電位の波形の概形のパターンや基本統計量の値による特徴量を用いて機械学習を行う。植物生体電位の波形に対して周波数解析による前処理を行い、教師データとしては光合成の活性度合いを評価可能なクロロフィル蛍光を用い、汎化性能の高いサポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)を用いて環境要因推定を行う。また、ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)やk-meansクラスタリングによる学習識別器の精度を評価した。当該年度では、SVMによる識別器の精度が高い傾向にあることが確認できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19による影響で研究外の業務エフォートが増えてしまったため、研究の進捗に遅れが生じることになった。また、研究データのとり纏めにも影響がでたため、当該年度で計画していた学会発表などの調整がうまくいかず、研究成果発表の遅れが生じることになった。それに伴い、必要な研究経費の繰り越しを計画し、研究の進捗状況の調整を行っている。 本年度は植物生体電位の時系列データによる環境推論の手法に焦点をあてて、複数の機械学習識別器による精度を評価しており、現在、その研究成果を取りまとめている。光応答における植物生体電位の研究については、2023年度に再度研究計画を後ろ倒しにして調整を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度遅れが生じた植物生体電位の光応答の環境推論のデータのとりまとめを実施しつつ、植物生体電位による植物生理活性状態の定量的評価に必要な植物の生育に必要不可欠な土壌要因に関する栄養状態における生体電位の特徴について調査を行い、生育師長となるクロロフィル蛍光との関係を確認する。本研究では、植物内部で発生する電気信号である植物生体電位と植物の生理活性状態との関係を明らかにすることを目的としている。植物の生育診断で用いられるクロロフィル蛍光による指標に対して機械学習を用いた植物生体電位による生育診断システムに関する研究を行っている。 また、今年度では画像処理による植物生体状態観察システムの構築を行い、深度センサによる画像処理の評価を行う予定である。植物の生育診断では植物体の非破壊的な評価方法が求められている。本研究では、植物の生育状態として萎れに着目し、植物の生育形状データから得られる角度や深度などの特徴量を画像処理により求め、体内水分量という植物の内部状態を非侵襲・非接触で評価することを試みる。
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Causes of Carryover |
研究の遅れが生じたったため、研究費の執行ならびに学会発表などの費用計上が繰り越されることになった。本年度では2022年度で取りまた研究成果について学会発表などを予定しており、植物生体電位を用いた環境推論に関する論文投稿を予定している。あわせて、2023年度に実施予定の必要な研究費の費用計上を計画して研究を実施していく予定である。
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