2022 Fiscal Year Research-status Report
境界型メッシュフリー法を用いた二層構造材料の界面近傍における劣化推定に関する研究
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22K04277
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 陽 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60724614)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 基本解近似解法 / 弾性波動 / 半無限領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,弾性体-剛体から成る二層構造材料に対する弾性波動問題を対象に,基本解近似解法の開発を行った.弾性体-剛体から成る二層構造材料のモデル化として,弾性体による半無限領域を考え,その境界に変位固定の境界条件を用いることで実現した.本研究の解析手法である基本解近似解法は,メッシュフリー型の数値シミュレーション手法である.この方法では,対象とする問題の基本解の線形結合を用いて近似解を表現する.近似に用いる係数は,境界条件を用いて決定される.基本解近似解法では,基本解の選点を境界上に,源点を解析領域の補領域に配置する.このような配置方法により,基本解の特異性によって生じる数値計算上の悪影響を避けることが可能となり,比較的容易に解析を実現することができる.一方で,近似解の表現に用いる基本解の選点と源点の数および位置の設定には任意性があり,近似解の精度にも影響を及ぼす.また,本研究で取り扱うような半無限領域では,無限長の境界,無限領域の補領域を考慮する必要があるため,選点および源点の配置の決定は,より複雑となる.このような理由から,実際に推定手法を開発する前段階として,これらの影響を把握することが必要不可欠である.以上のような理由から,当該年度は弾性体の半無限領域を対象に,2次元面外波動問題に対する基本解近似解法における選点および源点の配置による影響について,実際に数値計算を行いその傾向を調べた.加えて,適用範囲の拡大を目的に,異方性材料を対象とした基本解近似解法の開発も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り,基本解近似解法における解析において,選点および源点の数と配置の影響を把握することが必要不可欠であると判断した.そのため,実際に推定手法を開発する前段階として,対象とする構造に対するこれらの影響についての数値計算を実施し考察を行う時間が必要となり,その結果遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の研究実績をもとに,弾性体-剛体から成る二層構造材料を対象に基本解近似解法に基づく界面剥離の推定手法の開発を行う.また,弾性体-弾性体から成る二層構造材料を対象として基本解近似解法の開発についても,並行して実施する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,当初予定していた学会発表を取りやめたためである.次年度使用額は当該年度以降分とあわせて,物品費や旅費として使用する予定である.
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