2023 Fiscal Year Research-status Report
DIC法による超多点表面変位場にもとづく鋼部材裏面や内部の損傷同定法の開発
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22K04286
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
海老澤 健正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90332709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 剛規 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90585093)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 画像計測 / 逆解析 / 変形 / 亀裂 / 鋼構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
板材の片面のみをDIC計測したデータを用いたFE逆解析により予測された裏面の変形形状について実験的に確認を行った.ここでは,板材の引張圧縮の一軸繰り返し載荷を実施し,その際に表面・裏面を同時にDIC計測を実施した.まず,表面側の画像データと裏面側の画像データを独立した別個のものとして画像処理を行い,それぞれの変形形状を3次元数値化した.そして,表面の変形形状データのみを用いてFE逆解析を行って裏面の変形形状の予測を行い,直接DIC計測によって得られた裏面の変形形状と一致するかを検討した.その結果,ある程度の精度を持って予測できることが確認できた. 次に,裏面でのき裂発生の予測に関して検討を行った.上記のFE逆解析ではき裂を考慮していないモデルを用いているため,実験試験体において裏面側にき裂が発生すると,表面側の画像計測が真値と一致していたとしても,FE逆解析による結果と実現象との間に乖離が生じる.これは理論上,FE逆解析において,本来は0であるべき自由表面での反力が上昇するという形で顕在化すると考えられる.板材試験では繰り越し載荷により最終的に裏面からのき裂によって破断させたので,その過程をFE逆解析することで検証を行った.その結果,FE逆解析では反力の上昇が確認でき,き裂の存在そのものの予測は可能と判断できた.しかしながら,画像計測や解析モデルの誤差により,反力の上昇のタイミングが必ずしも明確ではなく,どの時点でき裂が生じたかを断定するには,より検討が必要であることが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通り,本研究の中核をなす,FE逆解析による裏面変形予測が,板材実験に基づき可能であることが確認できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる次年度では,本手法の最終的な目的であるCFT脚を対象とした亀裂発生同定の妥当性検証を行う.1/8スケールのCFT脚供試体を対象に静的繰り返し実験を実施し,本年度において板材試験で検証がなされた逆解析手法を用いて亀裂発生過程の同定を試みる.また,き裂発生時点の予測の精度向上を目指し,FE逆解析におけるデータの前処理について検討を加える予定である.
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Causes of Carryover |
試験装置の不具合が判明し試験日程に遅れが生じたたため,本年度実施となったことから,それに関する予算が繰り越しとなった.なお,解析的検討を先行して進めたため,研究そのもののへの影響は軽微である.
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