2023 Fiscal Year Research-status Report
Long-term stability and environmental protection of structures in rock mass by mineral precipitation using carbonated water and fine-grained materials
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22K04308
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奈良 禎太 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00466442)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 岩石 / 透水性 / カルシウム / 二酸化炭素 / 空隙閉塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
岩盤の利用は、人類が生活していく上で必要不可欠である。一般に岩盤にはき裂や空隙が普遍的に存在し,その存在により強度や遮蔽性能の低下が生じる。一方で,き裂や空隙を充填させることができれば,岩盤の強度や遮蔽性能は高まる。また,地球温暖化対策として,地球温暖化ガスであるCO2を岩盤に注入する地中貯留技術が近年考えられている。CO2は地下の温度・圧力下では,密度が高く粘性が低い超臨界状態となり,岩盤中の微細な空隙やき裂に浸透できる。ただし,それにより岩盤の破壊を促進することが懸念される。一方,CO2から炭酸水を作り,炭酸イオンの状態で地下に注入すれば,超臨界CO2の生成量は大きく低減できる。さらに,カルシウムイオンが豊富に存在する条件を作り出せば,炭酸イオンとカルシウムイオンの化学反応による鉱物析出が生じ,き裂や空隙の充填が実現できる。これは岩盤の強度・遮蔽性能向上に繋がる。これらを考慮して,炭酸水とカルシウムを多く含む岩石から作る粉末を同時に注入して,岩盤内のき裂・空隙を充填し岩盤の遮蔽性能を向上させる技術を開発することを目的とした。 多孔質な岩石を、カルサイトが主成分である大理石の粉末を懸濁した水中で保存して飽和させた後に透水試験を行うことを繰り返した結果,岩石の透水係数が低下する傾向が認められた。ただし、低下の傾向は小さかったため、水中に懸濁させる粉末の量を多くし、カルシウムイオンの供給と粉末が空隙を充填する効果を増大させることが、岩石の透水係数を低下させることに繋がる可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,二酸化炭素を鉱物固定することによって岩盤の透水特性を低下させることを目的としている。本年度は、カルシウムを多く含む岩石の粉末を用いてカルシウムイオンが供給されやすい水中環境下を作り、そこに岩石を保存することによって、岩石の透水特性がどのように変わるかを調査した。その結果、岩石の透水特性の変化(透水係数の低下傾向)を見出すことができ、研究の狙いはおおむね順調に見いだせていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,セメント系材料やカルシウムを多く含む炭酸塩岩石の粉末のように,カルシウムイオンを多く供給できるような水中環境において,岩石の遮蔽性能を向上させる(透水係数を低下させる)ような技術を見出すことを考えている。今後は、炭酸塩岩石の粉末を水中により多く縣濁させるような方策により、この傾向がより大きく認められる条件を見出すことが重要であると考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は、透水試験で使用する岩石試料の作成に必要となる消耗品(ブレードや砥石等)や、水質検査のために必要となるセンサー、温度計や湿度計等のセンサー類を購入する必要がなくなった。これは、別の研究グループから譲り受けることができたためである。 次年度は、さらに透水試験が必要となり、上述のセンサー類を交換する必要があるため、新たにセンサー類を購入する予定である。また、透水試験で使用する工業用精製水を多く購入する予定である。
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[Journal Article] Progressive fracturing in alluvial clasts2024
Author(s)
Uri Shaanan, Amit Mushkin, Monica Rasmussen, Amir Sagy, Philip Meredith, Yoshitaka Nara, Russell Keanini, Martha-Cary Eppes
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Journal Title
Geological Society of America Bulletin
Volume: 136
Pages: 1097-1110
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Evidence for increase in crack damage in rocks with duration of exposure at Earth’s surface2023
Author(s)
Philip Meredith, Yang Yuan, Monica Rasmussen, Karin Hofer Apostolidis, Yoshitaka Nara, Patrick Webb, Thomas Mitchell, Tao Xu, Russell Keanini, Amit Mushkin, Uri Shaanan, Maxwell Dahlquist, Alex Rinehart, Martha Eppes
Organizer
EGU General Assembly 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] QUANTIFYING THE LAST STEPS IN THE CHRONOLOGY OF ROCK DEFORMATION2023
Author(s)
Martha Cary Eppes, Monica Rasmussen, Philip Meredith, Thomas Mitchell, Yang Yuan, Karin Hofer Apostolidis, Yoshitaka Nara, Alex Rinehart, Patrick Webb, Tao Xu, Russel Keanini, Amit Mushkin, Uri Shaanan, Maxwell P. Dahlquist
Organizer
GSA Connects 2023
Int'l Joint Research
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