2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on contributions of long-period waves to mechanisms of cohesive fine-grained sediment transport in tidal flats
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22K04339
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
齋田 倫範 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (80432863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 彰博 福岡大学, 工学部, 准教授 (00366387)
田井 明 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20585921)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 干潟 / 長周期波 / 火山砕屑物 / 副振動 / 潮流 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,今津干潟を含む今津湾で発生する湾水振動の特性に着目した現地観測を中心に研究を実施した。現地観測では,2023年10月8日~11月7日に,今津干潟内,今津漁港(今津湾西岸),小戸(今津湾東岸)の3地点において水位計測を実施した。3地点の水位データに対するスペクトル解析の結果,周期30~50分付近において,博多湾の第1モード(周期約120分)に次ぐ比較的高い値を示した。また,今津干潟内-今津湾東岸間と今津湾西岸-今津湾東岸間の水位変動の位相差の関係から,外海からの長周期波の入射等によって今津湾全体がほぼ一様に振動し,その振動の影響で今津干潟奥部を腹狭窄部側の節とするような振動が生起している可能性が示唆された。 さらに,令和5年度は,中津干潟における現地観測ならびに稲荷川河口干潟で取得したデータの分析を実施した。中津干潟では,2023年10月28,29日に大新田地先で底質調査を行った。岸沖方向に設定した3測線で深さ60cmまでの底質を採取し,含水比を測定した。その結果,各測線の含水比は,岸沖方向の変化よりも鉛直方向の変化が大きく,深さ15cm~30cmにおいて含水比の相対的に低い層が存在することなどが確認された。一方,稲荷川河口干潟では,2023年2月23日~7月6日に複数回にわたって撮影した干潟地盤面の画像を解析し,春季に繁茂するアオノリの繁茂領域の特徴とその変化について分析した。その結果,被度が高くなる領域が繁茂期間中に大きく変化することが確認された。また,稲荷川河口干潟では,アオノリの80%以上が軽石のような多孔質で通常の土粒子より見掛けの密度の小さい基質に着生していることなどが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各地の干潟における種々の条件下での観測データの収集が課題ではあるが,観測データの取得ならびに数値モデルの整備は実施できており,おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度には,数値モデルによる検討に注力しつつ,引き続き現地観測データの取集を実施する計画である。
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Causes of Carryover |
現地観測のための機材の整備に遅れが生じるなどし,一部の現地観測を次年度以降に見送ったため,次年度使用額が生じた。 観測実施計画について研究分担者と再度協議した上で、現地観測に関連する経費または成果発表旅費に充てる。
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