2022 Fiscal Year Research-status Report
デジタルツインに向けた積雪寒冷都市の公共空間デザインのための行動意識解析評価
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22K04486
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 典大 北海道大学, 工学研究院, 助教 (80823400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 剛 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20226674)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | パブリックスペース / 街路空間 / 機械学習 / 行動解析 / 積雪寒冷都市 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界有数の積雪寒冷都市である札幌に位置する北海道大学札幌キャンパスの北13条通りを対象として、イベント時・平常時平日・平常時休日の3期に分けて行動解析と人流解析を行った。対象期間にカメラを設置して撮影した動画データを基に、機械学習による人流解析と目視による行動解析を行った。機械学習による人流解析では、Yolo v5を用いた物体検出により利用者を検知、Strong Sortをもちいてトラッキングを行い、時間帯・場所毎の利用者人数を明らかにした。目視による行動解析では、通行と滞留に分類した対象エリア内での行動種別把握し、時間帯・場所毎の通過・滞留行動の数量を明らかにした。北13条通りにおける利用者の通過人数は、大学関係者以外の利用が見込めるイベント時及び休日では、街路の北側において少なく南側で多かった。通勤通学者が多い平日は、街路の北側と南側で通行量の差がなかった。また、利用者全体に対する滞留者の割合は休日で最も多く10%から15%ほどの歩行者が滞留行動をし、次いで平日、最も少ないのがイベント時となったほか、利用者数も同様の順で観察された。以上より、街路空間の構成の特徴と利用行動の関係性を把握することができ、街路空間における滞留行動の誘発と利用者数にも関係性を見出すことができた。また、以上の結果を基に機械学習を用いた公共空間における利用行動解析のフレームワークを示した。 また公共空間の3Dモデル作成に向けて既存公共空間等の3Dモデル作成技術に関する既往研究の調査を行い、LiDARレーザーを用いた冬期積雪環境下の屋外空間3Dモデル製作の試作・検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記述した通り、2022年度に予定していた研究内容をおおむね遂行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は都市デジタルツインの実現を見据えて、積雪寒冷都市を対象に、デジタル技術を用いて①公共空間デザインと利用行動の関係、②公共空間デザインと空間意識の関係を明らかにし、積雪寒冷都市の気候に適応した行動意識を向上する公共空間デザイン手法の構築に向けて公共空間デザインに対する行動意識の解析評価手法を開発することを目的としている。今年度は以下の2点を進める。 ①機械学習を用いた公共空間の利用行動解析に関して、現時点では物体検出とトラッキングにより時間帯・場所毎の利用者人数を把握する手法を明らかにし、行動種別については対象公共空間について目視によりその内容を明らかにした。今年度はその基礎データを基に機械学習の学習データの更新等を行うことで、機械学習を用いて行動種別を把握する手法を検討する。 ②公共空間デザインと利用者の空間意識の関係を把握するための公共空間3Dモデルの作成を行う。既存公共空間3Dモデルの作成には、撮影した写真データを用いるフォトグラメトリやNeRF(Neural Radiance Fields)、レーザーを用いた3Dスキャン等、複数の技術が存在している。これら既往技術を試行、組合せながら公共空間デザインに適した3Dモデル作成手法を検討する。
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Research Products
(1 results)