2022 Fiscal Year Research-status Report
盲重複障害者・中途視覚障害者の地域生活と空間利用行動に関する研究
Project/Area Number |
22K04487
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平井 百香 東北大学, 工学研究科, 助手 (40882593)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 視覚障害者 / 中途障害 / 重複障害 / 地域生活 / 空間認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、視覚障害者の中でも生活上の課題が多い中途障害者および重複障害者に着目し、地域生活の実態や、生活空間の整備において重要となる点を明らかにする。具体的には、施設通所前後での利用者の生活の変化、利用者の施設利用年月に応じた空間利用や行動の変化、施設開設後の施設と地域の関係性の変化について知見を得ることで、今後の視覚障害者の地域拠点の在り方や、施設における環境の向上に寄与することを目指している。 調査は主に、視覚障害者向けの多機能型事業所において、利用者の行動観察調査と、利用者およびスタッフへのヒアリング調査を行っている。2022年度の研究実績として、多機能型事業所の継続的な協力を得ながら、施設における行動観察調査や利用者・スタッフへのインタビュー調査を定期的に行い、分析を進めた。 その結果として、施設の開設以降、利用者の人数の増加に伴って家具のレイアウトが変化し、施設内における利用者の居場所が変化していることがわかった。新しいプログラムを開始したことで専用の部屋が必要となり、一部増築も行われていた。また、視覚障害を持つ利用者が空間に慣れ、自立した移動が可能となるまでに必要な期間は、視覚障害単一の場合と、重複障害を有する場合とで異なることが明らかとなった。運営側の視点として、利用者の人数増加に応じて、スタッフのオペレーションも効率化が必要となっていることが課題として挙げられた。今後も同施設において定期調査を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染状況の様子を見ながら、調査先の意向を確認して調査を行っている。また、得られたデータの分析を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、施設における視覚障害者の空間把握行動の経年変化に関する分析を、国際学会へ投稿し、査読の結果採用となった。2023年度は、国際学会での成果発表と、施設における継続調査を行う。
|
Causes of Carryover |
国際学会への投稿は完了し、査読を通過したが、学会開催期間が2023年6月であるため、旅費の執行は2023年度となった。そのため次年度使用額が生じたが、既に渡航準備を進めている。
|