2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Housing Environment Assessment Methods Using Diverse Big Data and Artificial Intelligence for the Formation of Sustainable Residential Areas
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22K04490
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
沖 拓弥 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (40712766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 芳樹 東京大学, 空間情報科学研究センター, 講師 (70794296)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 街路印象評価 / 深層学習 / 街路全方位画像 / Webアンケート / ウォーカビリティ / 空き家 / 建物外観 / コンピュータビジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
【1.街路の印象評価】前年度に構築した「街路印象評価推定モデル」や他の関連研究における使用画像は,主に天候の良い昼間に撮影されたものに限られ,また,自動車が進入できない細街路での画像収集に課題があった。そこで,小型アクションカメラを搭載した自転車で走行しながら街路画像を収集した上で,2022年度と同様に行ったWebアンケート結果を学習させた,新たなモデルを構築した。そして,夜間に特定の項目の印象評価スコアが上昇する街路などを定量的かつ詳細に把握できることや,重回帰分析によって街路印象評価における天候や時間帯の重要性を検証した。 【2.建物外観の印象評価】前年度に構築した「建物外観の印象評価推定モデル」を用いて様々な応用分析を行った。①建物外観操作のシミュレーション:バルコニーやピロティ柱などの要素を追加した場合や,窓の配置・配列を変更した場合,屋根形状を変更した場合,外壁のテクスチャを変更した場合などにおける外観印象の変化を,定量的に検証した。②地域分析への応用:ある地域内の「趣がある」印象の建物の分布傾向の把握や,緊急輸送道路沿道の耐震化・不燃化建替が建物外観の印象に及ぼす影響を,定量的に検証した。 【3.ウォーカビリティの評価】オープンなGISデータから得られる情報と,街路画像から画像認識技術を応用して機械的に抽出した空間構成要素に基づく情報をもとに,評価項目の階層性を考慮したウォーカビリティの定量化手法を構築した。 【4.建物単位の空家判定】東京都大田区の3地域を対象に建物悉皆調査を実施し,うち1地域の町会の協力の下,空家に関するアンケートを実施した。これらのデータと建物・道路のGISデータ,および人口や災害リスクなどのデータを用いて,建物1棟単位で各建物が「空家である確率」を推定可能なモデルを構築したところ,学習データ(約90棟)に対する空家判定精度は約9割に達した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
街路印象評価AIに関する論文が予定よりも早くIF=9.1の英文ジャーナルに採択された。また,予定になかった建物外観評価AIについても,採択率20%以下の査読付き国際学会発表論文に採択され,空家分析についても,複数の新聞やテレビに紹介されるなど,成果が表れ始めている。さらに,好印象街路画像生成AIについても,学会発表や論文投稿には至っていないが,最新の画像生成AIの一つであるStable Diffusionを用いた検討などを進めており,最終年度に向けて計画以上の進度で研究が進んでいると自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
街路印象評価については,属性別の印象評価傾向の違いを定量化する手法を確立することに引き続き取り組む。 そして最終年度は,街路印象,建物外観,ウォーカビリティ,街路画像生成という,これまで並行して進めてきた研究成果を統合することで,持続可能な住宅地形成に向けた住環境評価技術を確立し,主に空家問題の観点から施策検討への応用可能性を示したいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究代表者分については,研究計画の前倒しに伴って海外発表旅費が必要となったが,見積もりよりも支出を抑制することができたため,次年度使用となったものである。すなわち,当初予定通り2024年度に使用することになったもので,研究成果の国内発表旅費などに使用する予定である。 研究分担者分については,分担者の期限付き海外赴任によって,発表旅費や人件費・謝金等が見積もりよりも少なくなったため,次年度使用となったものである。この分は,代表者と同様に,研究成果の発表旅費などに使用する予定である。
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