2022 Fiscal Year Research-status Report
離島の社会資本整備に伴う漁業集落の空間構成の変容に関する研究
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22K04503
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
森田 健太郎 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 助教 (20895445)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 離島 / 漁業集落 / 離島振興法 / 社会資本整備 / 壱岐 |
Outline of Annual Research Achievements |
5月から8月の期間で瀬戸浦と芦辺浦および周辺の触の地図に加えて、新たに勝本浦、印通寺浦、郷ノ浦の3浦の地図の作成を行った。これまで学会で発表していた研究「離島の社会資本整備に伴う漁業集落の空間構成と集落間の関係性の変容に関する研究-長崎県壱岐市芦辺町を事例として-(2021年)」で作成した、1935年、1972年、2005年の瀬戸浦と芦辺浦および周辺の触の変遷を図示化していたものをベースに、今回追加購入した国土地理院旧版地図を基に新たに3浦の漁業集落とその後背地を含む空間構成の変遷を図示化している。地図をスキャンし、線データを取り入れ、アドビのソフトを使用して仕上げている。現地調査に向かう前に地図を作成し、事前に調査で見ておくポイントを決めておく必要があり、重要な作業であった。そして、主要な公共施設や学校などがどのように移動し、街がどのように拡張していくのかを把握した上で、現地を訪れることができた。 また、現地調査については、2漁業集落の予定であったが、8月と9月に壱岐の勝本浦、芦辺浦、印通寺浦、郷ノ浦の現地調査およびヒアリング調査を行っている。4集落を回ることができたが、実質2集落のフィールド調査・ヒアリング調査を行うことができた。もう2集落はヒアリング調査などができていない。よって、今後に再調査を行う予定である。 文献についての調査は、現地の図書館でゼンリン地図や町勢要覧などを調べ、また、役所で郷土史の購入をし、多くの情報を得ることができ、成果をあげることができた。 学会への論文投稿については、上記の調査内容が入った論文を現在提出の準備中であり、令和5年度7月頃の予定である。また、調査対象である芦辺浦の変化を捉えた研究「長崎県壱岐市芦辺浦における移住者と地域住民の交流実態および交流空間に関する研究」を令和4年度の日本建築学会の九州大会で論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度(1年目)の計画では、まず文献調査①である市内図書館、役所へ資料調査があるが、ゼンリン地図や町勢要覧などの調査を行い、役所にて郷土史を調べ、購入も終えている。また、現地調査①である2漁業集落をフィールド調査・ヒアリング調査は、4浦を見て廻ることができたが、特に勝本浦と芦辺浦については、十分なフィールド調査とヒアリング調査を行うことができた。そして、作図作業①である国土地理院旧版地図を基に漁業集落とその後背地を含む空間構成の変遷を図示化については、勝本浦、印通寺浦、郷ノ浦の3浦における浦および周辺の触の空間構成の変遷の図示化が完了している。国土地理院の地図からの情報を図示化するだけでなく、文献から何年に港湾の事業が行われていたのか、何年に建設されたのかなど、多くの情報をプロットし、地域の変化を鮮明に現している。 また、研究成果の発表①である研究代表者が1年目までの研究成果を論文として投稿では、年度末まで上記の作業を行っていたため、今年度(2年目)の7月に論文の投稿の予定である。これらの理由により、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度(2年目)については、文献調査②として、市内図書館、役所へ資料の再調査を行う。渡良浦、八幡浦、湯本浦についての資料が十分ではなく、これらの地域についての文献や資料、郷土史などの調査を行う。現地調査②については、新たに3漁業集落(渡良浦、八幡浦、湯本浦)をフィールド調査・ヒアリング調査を行う。郷ノ浦と印通寺浦についても、ヒアリング調査を行う。作図作業②としては、以前と同様に国土地理院旧版地図を基に漁業集落とその後背地を含む空間構成の変遷の図示化を行う。渡良浦、八幡浦、湯本浦の空間構成の変遷の図がないので、これらを作成する。まずは昨年度分の成果と5月に行った調査分を含めて、今年度の7月に査読付き論文として投稿する予定である。また、2年目までの研究成果も投稿に向けて、論文執筆の作業を進める。 令和6年度(3年目)については、現地調査③としてすべて8浦の漁業集落についてフィールド調査・ヒアリング調査で足りない部分を補足として再調査を行う。作図作業③については、今まで作成した漁業集落とその後背地を含む空間構成の変遷を図示化したもののブラッシュアップを行い、新たな現地調査でわかった情報、文献調査で得た情報を各集落の図面に追記していく。また、研究成果の発表についても3年目までの研究成果を査読付き論文として投稿、国際学会で発表および投稿をする。
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