2022 Fiscal Year Research-status Report
主流乱れの不確実性が流体機器性能に与える影響の定量評価
Project/Area Number |
22K04536
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
浅田 健吾 東京理科大学, 工学部情報工学科, 助教 (00773318)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 一様流乱流 / 高忠実度シミュレーション / 不確実性定量評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,流体機器に流入する不確定な乱れが機器性能に及ぼす影響を定量的に評価することに取り組む.近年,予測精度の向上した流体シミュレーションは実世界の現象を高い忠実度で再現する手法として期待されているが,基礎的な流れであっても実験と結果が一致しないことが多い.本課題ではこの原因の一つとして考えられる流れに含まれる乱れの影響を,微小な変動も予測可能な高忠実度シミュレーションを用いて明らかにする. 令和4年度は人工的に乱れを生成するためにランダムフーリエモード法をシミュレーションと組み合わせ,平板流れに形成される剥離泡への主流乱れの影響を評価した.主流乱れのパラメータとして乱流の長さスケールと乱流強度を変化させ,それぞれのパラメータの変化によって剥離泡の再付着点がどれだけ変化するか,それに伴い圧力分布がどれだけ変化するか風洞実験と比較しながら統計的な振る舞いを評価した.その結果,乱れなしのシミュレーションよりも主流に乱れを加えた場合のほうが風洞実験結果に近い表面圧力分布,特に急な圧力回復が起こる位置を予測できることがわかった.さらに乱れ強度の増加だけでなく,乱れの長さスケールの増加も乱流遷移を促進する効果をもち,その結果として再付着点も前縁側に移動することなどが明らかになった.これらの成果を査読付き論文にまとめて出版を行った.また,不確実性の定量評価を行うためのツールの選定を行い,シミュレーションコードとのカップリングを行う方法の検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では初年度に,3次元の流体解析ソルバー(LANS3D)と不確定性の定量評価(UQ)を行うツールのカップリンを行い,平板流れの剥離泡に対して主流乱れの影響を調査する予定であったが,パラメトリックに行った乱れを含んだ流体解析の結果が論文としてまとまったのでそちらの出版を優先した.そのためLANS3DとUQのカップリンを行ったシミュレーションの実施は現在取り組んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は引き続きLANS3DとUQとのカップリン作業を行い,それらを組み合わせたシミュレーションを実施する.まずは当初の予定どおり平板周り流れに対してシミュレーションを行い,パラメトリックスタディでは評価しきれないパラメータ空間に広がる不確実性パラメータの定量評価を行う.その後,より実用的な流れとして翼周り流れに取り組む.ここでは乱れを加える位置や適切な格子解像度の選定が重要になると考えられるために,令和5年度中を目処に時間をかけて行う.令和6年度は翼流れの制御シミュレーションに乱れを加えた場合の乱れの影響を明らかにし,本課題の目的を達成する予定である.
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Causes of Carryover |
計算資源に使用予定であったが,公募型の計算資源を獲得することができたため.次年度使用額はジャーナルのオープンアクセス化や国際学会発表などの成果発表に積極的に使用する.
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