2022 Fiscal Year Research-status Report
複数機AUVの地形観測情報共有による自己位置推定手法に関する研究
Project/Area Number |
22K04558
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
佐藤 匠 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (40805131)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | AUV / 自己位置推定 / TERCOM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、深海底資源調査において、複数機の自律型潜水機(AUV: Autonomous Underwater Vehicle)同時展開による調査活動が非常に有効であると考え、複数AUV間音響通信によって各々がリアルタイムに計測する地形情報を共有し、地形マップと照合して自己位置を推定するUTMN(Underwater Terrain Matching Navigation)を行うことで自己位置推定の精度を向上させる自己完結的な観測システムの確立を目指している。 多様なAUVにも適用可能な汎用性の確保に加え、通信量が厳しく制限される水中音響通信のみの環境下でも実装可能な手法を提案するため、深度計、高度計から得られるAUV直下の点情報のみを使用することとしており、実機での有効性検証を行う前のAUVシミュレーションが非常に重要なステップとなる。本年度では、複数AUVによるUTMNの実施前段階として、AUV1機でのUTMNのシュミレーションを行った。 研究計画では、シミュレーション内容の項目として、①センサーデータのフィルター設計、②AUV間共有情報の最適化、③様々な地形条件に対する経路設定・航走設定の最適化を挙げていたが、本年度は、高度情報が限定される状況での自機位置推定高精度化をまず実現するためAUV1機でのシミュレーションを行った。高度計として利用しているドップラー式対地速度計(DVL)は、4本のビームにより、海底までの距離を計距する。DVLのビーム毎にマッチングした後,各ビームで得られた推定位置に対して,各ビームのSSD(Sum of Squared Difference)値の逆数に比例する重み係数に基づいた重み付け平均を行った。この手法により,マッチング精度の悪いビームを信頼せずに平均化し、安定かつもっともらしい自己位置推定が可能となった。本年度に考案した手法は複数AUVにも応用可能であり、来年度からのAUVシミュレーションのさらなる高度化が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画時点では、シミュレーション内容の項目として、①センサーデータのフィルター設計、②AUV間共有情報の最適化、③様々な地形条件に対する経路設定・航走設定の最適化を挙げていた。しかしながら本年度は、高度情報が限定される状況での自機位置推定高精度化をまず実現するためAUV1機でのシミュレーションを行った。上記項目よりも、まずは1機での自己位置推定精度向上の方が優先度が高いと判断したためである。結果として、上記①~③については本年度中の実施ができなかったため、当初計画より遅れていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、AUVシミュレーションの残項目である、①センサーデータのフィルター設計、②AUV間共有情報の最適化、③様々な地形条件に対する経路設定・航走設定の最適化について取り組む。本年度のAUVシミュレーションによって得られた結果により、1機のAUVにおける自己位置推定の高精度は達成されているため、複数AUVへの拡張及び、上記項目の検証を進める。また、MATLAB及びSimulinkのToolboxを調達し利用することで、更に高度なAUVシミュレーションを実施する。
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Causes of Carryover |
本年度では、HDD等の記録メディアを購入する予定であったが、シミュレーションにおいて大きく容量を使用しなかったたため、購入を見送ることとした。来年度はさらに多くのAUVシミュレーションを行うため、MATLAB及びSimulink等の解析ソフトウェア購入を行う予定である。 また、シミュレーションの状況によっては記録メディアが必要となる可能性は高いため、購入を計画している。
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