2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on efficient algorithms for the dynamic block relocation problem
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22K04577
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 俊二 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90324657)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動的ブロック積み替え問題 / 並列スタック積み込み問題 / 整数計画問題 / 妥当不等式 / Benders分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ブロック積み替え問題に対する結果を,並列スタック積み込み問題,動的ブロック積み替え問題と段階的に拡張することで,動的ブロック積み替え問題に対する効率的な厳密解法を構成することを目的とする.2023年度の主成果は以下の2点である. (1)他のアイテムの取り出しをブロックしているアイテム(ブロッキングアイテム)の総数を最小化する並列スタック積み替え問題に対し,従来提案されている整数計画問題としての定式化を改善した.具体的には,クリーク不等式型の妥当不等式を提案するとともに,動的計画法による分離アルゴリズムを3種類提案した.そして,これら分離アルゴリズムを数理計画ソルバに組み込んで数値実験を行った.その結果,いずれのアルゴリズムを用いても従来の定式化に直接ソルバを適用するよりも求解速度が向上することが示された. (2)(1)と同じ並列スタック積み替え問題に対し,Benders分解による厳密解法を提案した.この解法は,スタック容量を緩和した問題が多項式時間で求解可能であるという,2022年度に行った計算複雑さの結果に基づいており,スタック容量を緩和した問題を主問題,その実行可能性を判定する問題を部分問題とした反復解法である.部分問題についても,対称性を考慮した改善を行っている点も特長として挙げられる.この解法と(1)の解法の比較を数値実験により行った結果,とくにスタックの充填率が低い例題に対し,(1)の解法よりも高速であることが示された. (1),(2)の成果について,2023年に国際学会で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初は動的ブロック積み替え問題に対する解法を構成することを主目的としていたが,動的ブロック積み替え問題の特別な場合である並列スタック積み込み問題に対して想定以上の研究成果が上がっている.このため,2023年度は並列スタック積み込み問題の検討を優先的に行った.ただし,並行して動的ブロック積み替え問題に対する検討も行っており,総合的にはおおむね順調に推移しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
全体的にはおおむね研究計画通りに進展している.2024年度は並列スタック積み込み問題から動的ブロック積み替え問題へと重心を移していくものとする.まず,動的ブロック積み替え問題の整数計画問題としての定式化を再検討し,続いて,分枝限定法による解法の改善を試みる.並行して,並列スタック積み替え問題に対し分枝価格法に基づく解法の適用を行う.
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Causes of Carryover |
2024年度に繰り越した金額は約176,000円である.この繰越は,研究代表者が2023年度末に異動することが決まっており,異動先での研究環境構築に発生する費用を想定したことによる.それ以外はほぼ計画通り研究費を使用しているため,2024年度の研究費の主用途は,当初計画から大きく変更しないものとする.国内・国際会議発表および資料収集にかかる旅費・参加費や,プログラム作成・数値実験に用いる計算機の環境構築費・購入費などを予定している.
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