2023 Fiscal Year Research-status Report
Explainable Social Simulation: Cause and Effect Clustering Approach
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22K04586
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 裕介 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (40454037)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 社会シミュレーション / クラスタリング / 説明可能性 / 因果分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、手法のアイディアの検討を行い、シミュレーション事例への適用を行った。 因果を内包する具体的なアイディアとして、エージェントベース社会シミュレーションが持つモデルのミクロ-マクロ・リンク構造に着目をし、ミクロ、メゾ、マクロの各スケールにおける事象の順序関係から因果関係を想定することで、ある特定のマクロレベル事象に至るミクロとメゾの事象パターンを把握することを可能とする手法の開発を行った。開発した手法は、ノード間の相互作用とその程度を定量的に分析する共起ネットワークから着想し、複数のスケールで定義した事象の順序関係を集計・共起ネットワークとして可視化することで、直感的に強い因果関係を把握可能とする。この手法を、ミクロ-マクロ・リンクの解釈が可能で、比較的シンプルな構造を持つ感染症シミュレーションのモデルに適用し、実際に開発した手法で分析が可能であることを確認した。 適用結果を踏まえて、提案手法が従来のように感覚的でなくリンクを定量的に把握して説明を与えられることから、結果分析や施策設計において納得感の向上を可能にすることや、問題状況に関する理解度が向上することを通じて、より情報を得た上での意思決定を可能にすることを考察した。その一方で、比較的少数の事象でなければ可視化の直感的理解が不可能であることや、この手法が比較的頻度が高い事象を対象としていて稀な事象を説明することは難しいことなど、手法の限界も明らかにした。 この成果を論文としてまとめて、研究会(計測自動制御学会 システム・情報部門 第34回社会システム部会研究会)にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、手法のアイディアの検討を行い、シミュレーション事例への適用を行った結果として、手法の有用性やその限界を把握できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
手法の再検討を進め、実験を行い、有効性を評価することを目指す。適用する事例として、ミクロ-マクロ・リンクが陽に組み込まれ、エージェントベースモデルとしての構造が十分な基本モデルを開発して、利用することを検討する。
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Causes of Carryover |
本年度は比較的小規模な計算能力で十分なエージェントベースモデルでの事例適用を行ったため、計算機を購入する必要がなくなったことから、60万円程度の次年度使用額が生じた。今年度は為替の影響などもあり申請時点よりも計算機が値上がりしていることから当初スペックでの購入分に当てて使用する。
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Research Products
(2 results)