2023 Fiscal Year Research-status Report
リアルタイムに生産最適化を実現できるスマート生産システムの開発
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22K04596
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
翁 ウェイ 金沢大学, GS教育系, 准教授 (80631522)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インテリジェント生産 / 需要変動 / 在庫管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生産ラインにおける複数個の工場間のジョブの流れをスムーズにすることで、中間製品の在庫削減や作業員分配の最適化、エネルギーコストの削減などをリアルタイムに実現することを目指す。
今年度は、予定していた後工場の処理速度に合わせて前工場のジョブ処理順序をリアルタイムに決定する方法を開発していたとき、需要の変動と在庫の保存コストが本研究の対象である実際の問題に多くの影響を与えることが分かった。したがって、最適化の目標を達成するため、需要の変動を考慮した意思決定プロセスと在庫保存場所の最適化に取り組むことにした。具体的には、需要パターンを分析する数理モデルを構築し、在庫保存場所の最適化戦略も提案し、それらを評価する数理的証明とシミュレーションを行った。つまり、予定していたジョブ処理順序のスケジューリングだけではなく、需要の変動および在庫保存の最適化といった相互に関連するいくつかの課題に対し包括的な解決策を開発することにした。
需要の変動を分析したことから得られた洞察は、生産要件の変動に適応するための柔軟な作業員分配戦略が必要である。また、最適化モデルによると、作業員の可用性と在庫レベルを同期してリードタイムを最小限に抑え、効率的に生産期限を満たすことが重要である。そこで、作業員、需要、および在庫の相互作用を考慮することで、動的な環境での運用効率向上と顧客の要求を満たすための成果があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究内容は、当初の予定を拡張したものだったが、生産性に影響を与える重要な要因を考慮したため、当初の目標を補充した。新たな研究ニーズに適応し、より広範囲なデータ分析を取り入れることで、生産環境内で進化する課題に対応しつつ、初期計画の全体的な目標との整合性を保った。需要パターンや在庫レベルの変動に対応する戦略は、リアルタイムデータ分析を活用して作業員の分配やジョブ処理順序の最適化、およびリソース利用効率の最大化に貢献した。意思決定プロセスの向上は、需要変動の予測や潜在的なボトルネックや遅延に対処するための労働力分配や在庫レベルの調整に役立った。その成果によって、本研究の目標である生産ラインの効率を改善し、生産コストを削減し、顧客に対する反応性を向上させることがより広く実現することが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度提案した需要の変動に対応する意思決定プロセスと在庫管理の成果を活かして、作業員の分配と在庫コストの削減をより動的な環境で実現できるように、アルゴリズムの開発とデータ駆動型の分析を行う予定である。生産マネージャーや計画者などの意思決定者にリアルタイム情報と最適な労働力の分配案や在庫管理の戦略、生産スケジュールなどを提供することで、情報に基づいた意思決定を支援し、動的な市場環境での全体的な生産パフォーマンスと競争力を向上させることを目指す。
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Causes of Carryover |
理由は二つある。一つは、今年度に購入予定だった設備は、他の研究室から共有されたため、購入しなかったからである。もう一つは、年度末まで使える経費があるようにしたため、年度内では、予算を節約して使用していたからである。
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