2023 Fiscal Year Research-status Report
Research on technology to measure the condition of a wide range of river embankments and river beds in three dimensions in real time and with high accuracy
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22K04653
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 哲 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (00324658)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ドローン測量 / レーザ測量 / 緑色光レーザ / 携帯型レーザスキャナ / 長時間飛行 / 高精度測量 / 変状検出技術 / 3次元点群自動処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究内容の主要項目について報告する. (1)緑色レーザースキャナ搭載の長時間かつ強風下の安定飛行が可能なドローン測量の開発:一昨年度において,近赤外線レーザー光を約530nmの緑色帯レーザに波長変換する小型変調器を開発し,総重量3.0㎏以下の緑色レーザを照射するスキャナを実現させた.またガソリンを使用するエンジンによる発電器を製作し,エンジンにより給電しながら飛行するドローンに前記小型緑色レーザスキャナを搭載し,2時間以上の飛行が可能なUAVレーザー測量を実現させた.昨年度は,給電器を搭載している特色を活かして,UAVの推進力を向上させることで5m/s以上15m/s以下の条件下で安定に飛行できるUAVを実現させた. (2)携帯型緑色レーザーデータを活用する広範囲地上レーザー測量技術の開発:一昨年度は,レーザースキャナを携帯型にして,伸縮が可能で剛性の高いフレームに設置して背負い,徒歩にて周囲150mのレーザー点群を取得するシステムを製作した.昨年度は,自転車走行あるいは徒歩によって連続的にレーザ測量しながら,堤防天端の沈下を±50㎜精度で測量するための技術の再現性を検証し,システムの自己測位にSLAM技術を導入する効果を確認した. (3)高密度レーザー点群によるビッグデータからのリアルタイム変状箇所抽出技術の開発:一昨年度は,1時期目と2時期目に計測した3次元レーザ点群に対して,各対応点間の距離が最小になるように図形を回転および平行移動させるICP (Iterative Closest Point)アルゴリズムの自動処理化を構築した.昨年度は,さらに人工知能(AI)によるフィルタリング技術と組み合わせることで測量精度を向上させ,リアルタイムで堤防の変状個所を±50㎜の精度で定量化することの再現性を検証し,本技術が実務に適用できることを実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究内容の主要項目について進捗状況を報告する. (1)緑色レーザースキャナ搭載の長時間かつ強風下の安定飛行が可能なドローン測量の開発:昨年度まで,近赤外線レーザー光を波長約530nmの緑色帯にする光ファイバーを使用する小型変調器の開発により,UAV専用の近赤外線レーザースキャナを緑色レーザーに変換することを実現し,結果として総重量3.0㎏以下の小型緑色レーザスキャナの製作を可能にした.またガソリンを使用するエンジンによる発電器の製作も実現することにより,エンジンにより給電しながら2時間以上の飛行が可能なUAVによるレーザー測量の実用化を図った.昨年度は,このUAVレーザ測量の実用性を河川あるいは沿岸域の広範囲の水中下の地形の測量で実証した. (2)携帯型緑色レーザーデータを活用する広範囲地上レーザー測量技術の開発:昨年度まで,レーザースキャナを携帯型にして,伸縮が可能で剛性の高いフレームに設置して背負い,自転車走行および徒歩にて周囲150mのレーザー点群を取得するシステムを構築した.さらに自己測位にSLAM技術を導入することで,高精度のレーザ測量が実施できることを可能にした.昨年度は,堤防の沈下を±50㎜精度で測量できることを検証し,またこの測量技術の再現性を検証することで,本技術の実用化を図った. (3)高密度レーザー点群によるビッグデータからのリアルタイム変状箇所抽出技術の開発:昨年度まで,1時期目と2時期目に計測した3次元レーザ点群に対して,各対応点間の距離が最小になるように図形を回転および平行移動させるICP (Iterative Closest Point)アルゴリズムの自動処理化により,リアルタイムで堤防の変状個所を±50㎜精度で抽出できることを実証した.昨年度は,この技術を(1)および(2)と組み合わせる効果をいくつかの現場で検証し,本測量技術の実用性を実証した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策に関して,主要な研究項目について記述する. (1)緑色レーザースキャナ搭載の長時間かつ強風下の安定飛行が可能なドローン測量の開発:エンジンにより給電しながら飛行するドローンと小型緑色レーザスキャナの組み合わせにより,2時間以上の飛行が可能なUAVによるレーザー測量の実用化が完了したので,引き続き本手法の特性を活かしたモニタリング事例を示していく.その過程において.例えば,河川や海岸において,どの程度の水深をどれくらいの精度で測量することが出来るのか,その際の河川や海の透明度がどの程度測量精度に影響するのかを定量的に把握する事例を蓄積することで,本手法の適用範囲をさらに明確にする. (2)携帯型緑色レーザーデータを活用する広範囲地上レーザー測量技術の開発:自転車走行および徒歩にて高精度のレーザ測量が実施できるシステムの構築を実現したので,引き続き本手法の特性を活かした計測事例を示していく.例えば,河川堤防の測量において,どの程度の範囲をどれくらいの精度で測量することが出来るのかを定量的に把握する実験を行ない,本手法の実用性をより明確にしていく. (3)高密度レーザー点群によるビッグデータからのリアルタイム変状箇所抽出技術の開発:異なる時期に計測した3次元レーザ点群を使って,リアルタイムで堤防の変状個所を検知する技術を構築し,人工知能(AI)の導入による処理の高度化も検証できた.今年度は,測量実施後から変状個所を可視化する一連の作業自体を自動化させることにより,労力を要しない測量作業を実現させる.また引き続き,実際の河道の現場において,開発した技術の実用性を検証していく.
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