2023 Fiscal Year Research-status Report
ランタンシリケートセラミックス電解質と電極界面の改善によるSOFC特性向上
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22K04693
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
中山 享 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (50300637)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アパタイト酸化物イオン伝導体 / 固体酸化物型燃料電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
500℃での導電率が0.013S・cm-1を示す無配向ランタンシリケートセラミックスおよび500℃での導電率が0.033S・cm-1を示すc軸配向ランタンシリケートセラミックスを電解質材料に用いた。電極(拡散層)接合面のランタンシリケートセラミックス電解質の表面粗さRaとSOFC最高発電出力の関係を調べた。 無配向セラミックスおよびc軸配向セラミックス共に電解質の厚みは、1mmとした。電解質/電極の緩衝層は、スピンコーターにより塗布・焼付で設けた(CeO2)0.8(Sm2O3)0.2膜を設けた。カソードおよびアノード電極共に、DCスパッタを用いて成膜しPt膜を設けた。電極(拡散層)接合面の電解質の表面粗さは、前年度のRa3.2およびRa0.8からRa0.4に変更した。3%-H2(Arバランス)とAirを用いて、500℃での電解質支持型SOFC単セルの発電最高出力を測定した。 無配向セラミックスを電解質に用いた場合、電解質の表面粗さRa0.4の場合は500℃での発電最高出力は10mW・cm-2であった(Ra0.8の場合8mW・cm-2、Ra3.2の場合5mW・cm-2)。一方、c軸配向セラミックスを電解質に用いた場合、電解質の表面粗さRa0.4の場合は500℃での発電最高出力は80mW・cm-2であった(Ra0.8の場合70mW・cm-2、Ra3.0の場合50mW・cm-2)。電解質の表面粗さRaが小さいと発電最高出力が高くなる予想どおりの結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電解質の厚み加工において割れが多数発生することから、令和5年度の計画であった電解質の厚み0.3mmの評価ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、発電最高出力が最も高い値が得られた電解質の表面粗さRa0.4以下にて、最終目標の電解質厚みを0.3mmから薄くした場合の500 ℃での電解質支持型SOFC単セルの発電最高出力測定を実施する。
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Causes of Carryover |
超高温電気炉の損傷が当初考えていたより少なかったため炉材修理および発熱体交換が令和4、5年度に実施しなかったが、令和6年度前半に実施予定である。また、海外のオープンアクセス学術誌での複数論文発表を準備している。
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