2022 Fiscal Year Research-status Report
Indirect electrodeposition of leaf like zirconium compounds films and application to photoluminescence films.
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22K04719
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
千金 正也 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究管理監 (40416326)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ジルコニウム化合物膜 / 間接電析法 / フッ化ユウロピウム / 赤色発光 / 電気双極子遷移 / 磁気双極子遷移 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、R4年度の目標は、従来電解析出法(電析法)で達成していた、剣型葉っぱ状の3Dジルコニウム化合物(OとFを含むため、Zr-O-Fとする)を一次のユニット構造とし、それが放射状に成長してできる株状構造体(二次的構造)がさらに集合した構造体膜を、間接電析法によっても作製することである。ただし、間接電析法の場合、電析法に比べて、製膜速度(電解時間当たりの析出膜質量で評価)が遅く、さらに、析出均一性にも問題がある。(電解液に浸漬した部分全体には析出しない)初年度の取り組みとして、まずその改善にとりかかった。以下、典型的な結果を示す。石英ガラス板(厚さ1mm)を目的基板とし、ステンレス板をダミー電極とした。これら基板とダミー電極を向かい合わせに0.26 mm離して設置した。ヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウム0.1Mおよび硝酸アンモニウム(AN)を0.5M含む電解液組成で、ダミー電極を使った定電流カソード電解をおこなった。対極アノードはPt板を用いた。(電流密度-2mAcm-2)で、電解を2回に分けて、トータル10000s電解を続けると、膜厚1μm以上の膜が石英ガラス基板上に得られ、膜の量も採択前の予備検討時の1.5倍に増加した。しかしながら、膜に均一性は無く、二次的構造も認められなかった。 いっぽう、こうした検討と並行して、電析で製膜した3D Zr-O-F膜に対してEuを導入し、発光特性の最適化を検討した。これは、電析膜においても、Euを導入して、発光特性を詳細に評価することで、最適な導入条件を決定し、間接電析膜への導入に役立てる予備検討とするためである。浸漬液のEu濃度や、発光測定における励起光波長の適切な選択が重要であるとの知見が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の目標であった、間接電析法による3D構造膜の均一な製膜に至っていない。もともと電析法に比べて、製膜速度が遅いため、まず、膜の総量の増加や、製膜面積の増加に注力した。段階的に電流密度や液浸漬部分面積を変化させることで、ある程度改善されたが、製膜速度は、電析膜の1/10程度にとどまっている。また均一析出性についても、まだ不充分である。いっぽうで、電析膜について、Eu水溶液に浸漬して、Euを導入し、膜の発光特性を検討し、条件の最適化をおこなった。これについては、浸漬液のEu濃度や熱処理が有効であることが見いだされた。ある程度の成果は得られたと考えている。こうして、電析膜へのEu導入の検討に時間を割いた分、間接電析法による製膜検討が不充分とり、遅れの要因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
間接電析法による製膜については、前年度のような膜の量や面積にこだわることはせず、均一性、二次構造発現に注力する。いっぽう、電析ジルコニウム化合物膜を足場としたユウロピウム導入と、作製された膜の発光特性の最適化について、さらに検討を進めて、学会等で成果発表する予定である。
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Causes of Carryover |
浸漬によるユウロピウム化合物の析出状態(形態と結晶構造)を詳細に調べる必要性が生じたため。 【使用計画】透過電子顕微鏡写真撮影と電子線回折検討を外注する 120万円
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