2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of membrane filtration mechanism of emulsions by multiphysics numerical analysis and optimal design of microporous structure
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22K04804
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石神 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70595850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHIRZADI MOHAMMADREZA 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任教授 (40868733) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 畳み込みニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に引き続き、深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた膜微細構造内部における流体の速度場と圧力場の予測技術の開発を行った。昨年度は2次元かつモデル膜構造を対象に検討していたが、3次元かつ現実系に近い膜微細構造への拡張を試みた。 まず、X線CTにより市販膜の微細構造の画像解析を行い、3次元の膜微細構造を数値的に得た。昨年度開発した数値シミュレーションモデルを用いて、X線CTにより得られた微細構造内部における速度場および圧力場を求めた。CNNにおけるデータベース構築のために、X線CT像から多数の3次元的微細構造を抽出しようとしたものの、データ容量が非常に大きい問題があった。そこで、膜領域から10個のみの微細構造を抽出し、CNNのトレーニングデータには、その2次元断面の速度場と圧力場のデータを用いた。構築したCNNモデルを用いて、速度場と圧力場の予測を行ったところ、入力値として、計算領域に構築した符号付距離関数を用いると、高い精度でデータベース内の膜微細構造の流れ場を予測することができた。しかしながら、この手法を用いても、データベース外のデータの予測精度は比較的低いことがわかった。この問題については、CNNに物理情報を導入するなどして、今後改善を検討する予定である。予測精度が低かったデータベース外の膜微細構造のCNN予測結果を、初期値として使用して流体シミュレーションを行ったところ、一様流を初期値に使用したシミュレーション結果より大幅に計算時間を短縮できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、画像解析を連携した数値シミュレーションモデルの開発と、それらの数値シミュレーション結果をポスト処理に用いた機械学習により細孔透過現象の予測と細孔形状の最適設計を実施するものである。現在のところ、画像解析を連携した数値シミュレーションモデルならびに畳み込みニューラルネットワークに基づく機械学習モデルの開発をほぼ完了しており、概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに、現実系に近い形状の細孔内の流れ場を予測できる機械学習モデルの開発を行ったが、一般化性能が少し低いため、物理情報を機械学習モデルに導入により改善を試みる。また、自由表面流れへと拡張を行い、細孔内における分散相の透過挙動の予測を試みる予定である。さらには、遺伝的アルゴリズムなどの最適化ソルバーを連携して、微細構造の最適化を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、in-houseの数値シミュレーションモデルと機械学習モデルのプログラム開発を主として実施したため、計算機や実験器具の購入は行わず、当初よりも使用額が少なくなった。これらは次年度に購入する予定である。
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