2023 Fiscal Year Research-status Report
リン酸アルミニウムの水熱転換による多孔質結晶の創製とその触媒機能
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22K04826
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小村 賢一 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40377685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 拓史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (60371019)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ゼオライト / 水熱転換法 / リン酸アルミニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
【1】我々が開発したizcMAP法にて、コバルト原子が一部骨格置換したCoAPO-5を親ゼオライトとして使用し、OSDAとしてピペリジンを使用することで、新しい骨格構造を有する材料の開発に成功した。これをGAM-6と新しく命名した。また、合成法および種々の物性評価を行った。その結果、多孔質性と固体酸性を持つ新しい材料であることを明らかにし、固体触媒性能を簡易的な実験によって確認した。さらに、共同研究者と共に、詳細な構造解析を行い、このGAM-6の骨格構造を明らかにした。最大の特徴として、GAM-6は二次元の細孔を持ち、多孔質材料特有の多孔質性能を有していること、細孔構造の重要な部位が従来のゼオライトにはない、AlOAl結合で介していることを明らかにした。本研究成果については、トップ10%ジャーナルへ論文投稿を行い、受理されている。 【2】当初の目的の通りに、固体酸を持つ新規ゼオライト物質GAM-3の合成開発に成功した。研究方針のずれを無くすため、ゲルマニウムを一部同形置換させたGeAPO-5ゼオライトを出発原料として選択した。種々の研究検討を経て、多孔質無機材料合成法としては、極めてユニークな4ステップの構造転換を伴う全く新しい合成法を確立することができ、本研究成果は、ゼオライト学会にて発表を行った。 【3】アルカリ金属のテンプレート効果を利用した水熱転換法を行うことで、3種類の鉱物結晶を合成できることを見出した。これらは、構造は既知であるが、化学組成は全く新しい物質となり、現在詳細な物性評価と機能性の解明を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.我々が開発したizcMAPにより、これまでに新しい多孔質物質を順調に開発しており、共同研究者と共に、それらの構造解析に成功している。また、困難が予想された固体酸をもつGAM-3ゼオライトの合成スキームを確立することができ、今後の触媒利用へ向けた応用研究に弾みを付けた。 2.新規多孔質物質GAM-6の論文投稿を行い、以降、コバルト元素の特徴を活かした触媒利用への期待がされる。 3.アルカリ金属含有の鉱物結晶については、イオン交換能、単純気体分子の吸着能への機能化の解明へ研究展開しており新しい機能への期待が大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題としては、新しく開発した多孔質物質の機能化に向けた研究を主に行う必要があると考えらる。特に、現在多孔質性能に乏しい物質を中心に、材料特性に向けた研究展開を行う。また、GAM-6については、ファインケミカルズ合成用触媒としての応用を検討すると共に、吸着特性、特にコバルト原子の特徴を利用することで、二酸化炭素分子の吸着特性を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
研究開発は、順調に進行している。しかし、得られた物質の吸着特性評価で使用する標準ガス、および大型機器分析の利用料金が当初より少なかった。
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Research Products
(2 results)