2023 Fiscal Year Research-status Report
開口マスキング波面計測補償光学による深部生細胞4Dライブイメージングの実現
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22K04961
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 則明 北見工業大学, 工学部, 教授 (30209720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 隆俊 北見工業大学, 工学部, 准教授 (30713995)
玉田 洋介 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (50579290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 補償光学 / 開口マスク / 隣接相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
開口マスキング補償光学(AO)顕微鏡の光学系の構築を行った。可変形鏡で反射したビームをレンズで結像させたのち、視野絞りを通してコリメートする。それを開口マスクを通過させたものをレンズで再結像させる。このようにして得られた像は、孔の位置に応じて変調されたものとなり、元の像に位相揺らぎを与えるとそれに応じて像が変化することを確認した。現在は、得られた像から位相揺らぎを導出するコードをAOシステムに導入する作業を行っており、これが終了すれば本格的にAO実験を実施できる。ただし、実験を通して位相推定結果が孔の配置の精度および開口マスクの設置位置の精度に強く依存することが分かったのでこれに対処する必要がある。 開口マスクの孔の配置とゼルニケ多項式との関連を調べる計算機シミュレーションも実施した。昨年度からコードを改良し、より詳細な検討を行った。この結果、孔の最大数19、ゼルニケ多項式15項のときは、マスクのペアが2組で良いことが分かった。これによって処理時間の短縮が可能となった。また、孔の最大数37の時もマスクパターンの設計が終了した。この場合はマスクペアが3組必要であることが判明した。シミュレーションについては今年度で完了させることができた。 上記の研究と並行して、隣接相関を用いた波面推定法の開発も昨年度に引き続き進めた。植物を用いた詳細な実験を進め、統計的に検証したところ、隣接相関を用いた波面推定法が従来法よりも良好な結果を与えることが分かった。この結果を用いた論文がPlant cell and Physiology誌に採択され、公表された。また、Optics & Photonics Japan 2024において研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目ごとに進捗のばらつきはあるが総合的に見ると、おおむね順調と評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.より高精度な開口マスクを製作する。工作作業の専門家と協働して進めることで対処する。 2.モデル物体および植物細胞を用いたAO実験を実施する。 3.結果を取りまとめ、開発したシステムの評価を行う。 4.国内外の学会で成果を発表する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗の都合で購入予定だった消耗品を購入しなかったためである。ただし、今後も研究を継続する上では必要なので、翌年度分と合わせて必要物品を購入する予定である。
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