2023 Fiscal Year Research-status Report
ペロブスカイト太陽電池の長期耐久評価に向けた加速試験手法の創成
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22K05002
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
傍島 靖 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40397691)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ペロブスカイト太陽電池 / 半導体 / 加速劣化試験 / ラミネート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では次世代太陽電池材料として期待されるペロブスカイト太陽電池(PSC)の課題である劣化挙動に関する研究として、出力低下要因の解明、長期信頼性評価技術の獲得、発電源としての耐性獲得に向けた探究を行った。 2023年度は前年の新規モジュール構造への適用を拡大し、前年作製したFA系材料を別形成プロセスで作製し、9%強の変換効率を得た(有効面積:0.02cm2)。また、この太陽電池に対して封止材を用いない新概念モジュール構造を適用し、劣化挙動を観測した。 まずFA系材料についての相関では、構造評価によりPbI2が膜内で存在している場合は光照射開始後直ちに劣化挙動が発動する。このため、PbI2の存在によりペロブスカイト発電層の劣化発現する事が考えられる上、実用に耐えうるPSCとして非常に重要な要素である事が示された。また、高効率太陽電池に関してはPbI2のXRDピークは測されず、また劣化挙動に関しても、MA系材料と同様に、初期変換効率により劣化挙動が影響される事、まか新概念モジュールの使用により未使用の場合と比較して約5倍の光劣化挙動を示す。更に初期変換効率によって、同じFA系材料でも変換効率以外にも構造評価により、加速劣化挙動に影響を及ぼす事が分かった。ただし、封止材を用いた構造については従来の真空ラミネート法による封止ではなく常温で封止可能な封止材を使用しているが、電極周りでの適用がうまくいっておらず、2024年度の課題として残された。2024年度では加速劣化手法の開発とともに封止手法の開発についても引き続き実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に示した通り、封止材を用いた劣化挙動評価については遅れているが、昨年度の構造解析については研究を進めることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は過去2年の結果を反映・発展し、引き続き別材料の開発とともに封止材を用いる構想に対し,封止条件の策定および加速劣化試験を行う。またデータの蓄積を行い、測定精度も含めた機械学習用のデータの収集、及び他機関での研究成果 についての調査も引き続き行う
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Causes of Carryover |
予算計上した装置類の購入を別の予算で執行することとなり、最終年度で当初予定である機械学習の研究を実施するためと、予定している商品の納期遅れが引き続き発生しているため。
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Research Products
(4 results)