2023 Fiscal Year Research-status Report
ジシレンジアニオン種を鍵分子とする未踏典型元素共役系分子の創製
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22K05085
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
箕浦 真生 立教大学, 理学部, 教授 (30274046)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 典型元素 / ケイ素 / ゲルマニウム / 結晶構造解析 / 立体保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、独自に開発した拡張型トリプチシル基(Trp*)をアルキル立体保護基として、新たなケイ素骨格構築のビルディングブロックとなるジシレンジアニオンを合成し、これを鍵化合物として様々な未踏ケイ素骨格を合成することを目的とし、新しい化学結合に基づくケイ素骨格形成の新手法創出と新物質創製、ケイ素化学の学理構築に繋げる。これまでに、ジシレンジアニオンを出発としてケイ素上への官能基導入や炭素置換基導入を検討している。Trp*置換基は立体保護効果が高いものの、複数のTrp*を分子内にもつ場合、分子間スタックにより、化合物の溶解性が低下し、化合物情報を得ることが困難であることが分かった。その解決策として、拡張型トリプチシル基の橋頭位に直鎖アルキル基(C3-C8)を導入したRTrp*を合成し、溶解性・結晶性の問題点の克服をすることが出来ている。一連の高反応性14族元素化学種の単離には、再結晶による精製しか適用出来ないため、網羅的な検討を行い、適する精製条件と置換基の開発を行なっている。現在は関連するRTrp*を有する高反応性ゲルマニウム種で研究をすすめ、他の高周期14族元素の導入も併せて検討を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立体保護基であるTrp*基をもつ反応生成物が難溶性のため構造決定が困難であったが、直鎖アルキル基を導入した一連のRTrp*基を開発し、溶解性の向上が認められ、当初の計画に沿って、今後研究を遂行することで研究計画と目的が達成出来るものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
立体保護基を有する高反応性化学種の単離には再結晶しか用いることが出来ないため、目的物質の溶解性と結晶性を獲得することは研究を推進する上で重要となる。これまでに種々の直鎖アルキルを導入したRTrp*(R = C3-C8)の開発をすることが出来たので、これらを用いて目的とする化合物の溶解性に合わせてR置換基を選択出来るように成っている。 本年度までの知見を基に、立体保護効果と溶解性を兼ね備えたRTrp*を有する種々の14族元素高反応性化学種についても検討を進め、相乗的に知見を得る。
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Causes of Carryover |
学内外の他の研究資金により旅費や消耗品などの支出を賄うことが出来、また主要な高価な試薬を購入せず合成により供給し節約をしたため、次年度使用額が生じた。次年度分として請求した助成金と合わせて、研究目的遂行のための試薬類購入等に使用する。
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Research Products
(22 results)