2022 Fiscal Year Research-status Report
Short-step synthesis of long helicenes with strong circularly polarized luminescence activity
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22K05087
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
大谷 卓 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (70339109)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ヘリセン |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘリセンは円偏光発光(CPL)材料として最も有望であり、尺度となる異方性因子(glum値)において、有機化合物として非常に高い0.03を示す例も知られています。理論計算によればヘリセンの縮環数が増えるとglum値も増加し、[50]ヘリセンでは0.09にまで向上することが予想されています。しかし、理論と実験の剥離は大きく、多数の[7]ヘリセンglum値の測定に対して、[9]ヘリセンですらCPL特性を評価している論文は4例しかなく、環数の増加によりglum値が増加した例はほとんどありません。本研究では、申請者が開発した超原子価ヨウ素試薬を用いたN-H/C-Hカップリングを鍵反応として、縮環数の多い高次ヘリセンの合成法を確立してます。その後、類縁体合成の容易さを生かしてライブラリーを構築してキロプティカル特性に関するデータを集積することを目的とします。合成困難な黄色から赤色の円偏光を発するヘリセンも合成し、優れたCPL特性を示すヘリセンの分子デザインを理論と実験の両面から明らかにする予定です。 市販品である2,9-ジクロロフェナントロリンとアニリン誘導体から、超原子価ヨウ素試薬による酸化的NH/CH カップリングを鍵反応とすることにより、わずか2 段階でポリアザ[7]ヘリセンの合成が可能となることを既に報告しています。本合成法を高次ヘリセンの合成に適用するため、アニリン誘導体として3-アミノフェナントレンあるいは3-アミノベンゾ[c]フェナントレンを用いて環化前駆体を合成後、酸化的NH/CH カップリングを行うことでテトラアザ[11]-及び[13]-ヘリセンの合成に成功しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市販品である2,9-ジクロロフェナントロリンと3-アミノフェナントレンあるいは3-アミノベンゾ[c]フェナントレンを用いて環化前駆体を合成後、酸化的NH/CH カップリングを行うことでテトラアザ[11]-及び[13]-ヘリセンの合成に成功したから。
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Strategy for Future Research Activity |
市販品である2,9-ジクロロフェナントロリンと3-アミノフェナントレンあるいは3-アミノベンゾ[c]フェナントレンを用いて環化前駆体を合成後、酸化的NH/CH カップリングを行うことでテトラアザ[11]-及び[13]-ヘリセンの合成に成功しています。原料に5環式ヘリセニルアミンをもちいることで[15]-ヘリセンを合成し、それらを光学分割しそのキロプティカル特性を明らかにする予定です。
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Causes of Carryover |
初年度のため研究計画を推敲する必要があり、試薬や装置の購入の執行が遅れました。原料合成に必要な光反応装置を次年度の予算で購入する予定であり、それと試薬などの消耗品の購入で助成金はほぼ使用する予定です。
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