2022 Fiscal Year Research-status Report
Rational development of molecular catalyst toward site specificity and steric diversity based on transition state stabilization
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22K05101
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山中 正浩 立教大学, 理学部, 教授 (60343167)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 分子触媒 / 触媒設計 / 立体選択性 / サイト選択性 / DFT計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、様々な化学変換を可能とする金属触媒部位に水素結合ドナーを適切に配置した柔軟なキラル側鎖を付与することで、反応部位特異性と立体的多様性を併せ持つ分子触媒を開発する。独自の触媒設計を具現化するため、遷移状態安定化に基づき理論計算を先導的に活用することで合理的に触媒設計を進めていく。本年度は、初期検討で見出している不斉四級炭素骨格を構築する共役付加反応、不斉ホウ素化反応を中心に検討を行った。前者については、触媒調製条件を精査することで90% ee程度の高エナンチオ選択性で反応溶媒に依存した絶対立体配置の反転を実現した。後者については、GRRM/AFIR法を用いて中程度のエナンチオ選択性が発現する要因を解明し、その知見に基づいて新規不斉配位子を設計した。現在、80% ee程度まで向上させることに成功している。さらに関連研究として、パラジウム触媒によるアシルシランの炭素-ケイ素結合のアルキンへの付加反応やホモアレニルボロン酸エステルの1,3-ホウ素転移反応によるボリルジエンの合成について理論的研究を行い、反応経路や選択性を解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期検討で見出した不斉共役付加反応、不斉ホウ素化反応について、当初は中程度であったエナンチオ選択性を80~90% ee程度にまで向上させた。これらの成果は、本研究目的の一端である理論計算の先導的活用に基づいているため、研究は概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初期検討で見出された不斉共役付加反応、不斉ホウ素化反応のエナンチオ選択性を80~90% ee程度にまで向上させることができたため、次年度は基質一般性の精査とともに、溶媒依存的なエナンチオ選択性の反転現象については、円二色性(CD)と理論計算の連携により触媒の構造変化や反応溶媒への応答性を解明する。また、理論計算に基づいて新規に設計された不斉配位子については、より洗練してエナンチオ選択性を向上させた後、類似の反応性を示す官能性基質との分子間・分子内競争反応における反応部位特異性を実現する。さらに、開発している分子触媒を空気酸化反応などにも応用を進め、最終的には、外部環境に応答して反応部位特異性や立体的多様性を示す分子触媒を開発し、その合理的設計指針を確立する。
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Causes of Carryover |
物品費は主に試薬やガラス器具に使用しており、研究の遂行に必要な物品購入額に満たなかったため。次年度の試薬やガラス器具の購入に充てる。
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Research Products
(6 results)