2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Determination of Trace Metals in Microplastics by XRF analysis
Project/Area Number |
22K05159
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
中野 和彦 麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (40373021)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 蛍光X線分析 / マイクロプラスチック / 微小部蛍光X線分析 / 微量元素 / RoHS指令 |
Outline of Annual Research Achievements |
可搬型の蛍光X線分析装置を用いた実験では、試料厚さや形状の異なるマイクロプラスチック中の微量金属元素の定量のための標準物質の作製および補正方法を検討した。その結果、試料直径が2mm 以上のマイクロプラスチックであれば、試料の形状を問わず、正確な微量金属元素の定量が可能な補正方法を確立した。さらに、試料マトリックスの異なるポリマーであっても、ポリ塩化ビニル樹脂以外のポリマーであれば、マトリックス補正を行うことなく、正確な定量が可能であることを確認した。 この補正方法を用いて、実際のマイクロプラスチックの定量を行った結果、採取した96試料中50試料から、測定対象元素であるCr,Fe,Co,Cu,Zn,Sb,Pb,Brが検出された。また、RoHS指令の規制対象元素である Cr,Pb,Brでは、100mg/kgを超過した試料も複数確認され、Pbでは1000mg/kgを超過した試料も確認された。 さらに、X線透過法を応用したポリマー種の判別方法の手法開発を行い、ポリエチレンや ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の、主成分組成の実効原子番号が近いポリマーであっても、判別可能であることを示した。 これらの研究成果は、第58回X線分析討論会(2022)、第59回X線分析討論会(2023)、日本分析化学会第72年会(2023) において、3件の学会発表を行い、日本分析化学会第72年会では、若手ポスター賞 (大阿蘇若手ポスター賞) を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、試料厚さや形状の異なるマイクロプラスチック中の微量金属元素の定量のための標準物質の作製および補正方法を検討した。その結果、試料直径が2mm 以上のマイクロプラスチックであれば、試料の形状を問わず、正確な微量金属元素の定量が可能な補正方法を確立した。さらに、試料マトリックスの異なるポリマーであっても、ポリ塩化ビニル樹脂以外のポリマーであれば、マトリックス補正を行うことなく、正確な定量が可能であることを確認した。この補正方法を用いて、実際のマイクロプラスチックの定量を行った結果、採取した96試料中50試料から、測定対象元素であるCr,Fe,Co,Cu,Zn,Sb,Pb,Brが検出された。また、RoHS指令の規制対象元素である Cr,Pb,Brでは100mg/kgを超過した試料も複数確認され、Pbでは1000mg/kgを超過した試料も確認された。 また、X線透過法を応用したポリマー種の判別方法の手法開発を行い、ポリエチレンや ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の、主成分組成の実効原子番号が近いポリマーであっても、判別可能であることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで、可搬型の蛍光X線分析装置を用いた実験において、試料直径が2mm 以上のマイクロプラスチックであれば、試料の形状を問わず、正確な微量金属元素の定量が可能な補正方法を確立されている。今後は、試料サイズは 2 mm 未満のマイクロプラスチック中の微量元素の分析を行うため、X線集光素子の一つであるポリキャピラリーX線レンズを用いた微小部蛍光X線分析装置による定量を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初の使用計画よりも研究助成費に余剰が生じたため
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Research Products
(2 results)