2022 Fiscal Year Research-status Report
特異なフルオラス溶媒|水界面反応場を利用した新規電気化学分析法の構築
Project/Area Number |
22K05175
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
植松 宏平 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (30547584)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フルオラス溶媒 / フルオラス化合物 / 親フッ素性 / 液 | 液界面電気分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、特異なフルオラス溶媒|水界面反応場を利用した新規電気分析法の構築を目的とする。当該年度では、同目的実現のために、フルオラス溶媒液膜|水界面電気分析法の検討を行った。液膜系での測定法が確立できれば、必要となるフルオラス溶媒量を格段に抑えることができ、測定系の低コスト化や環境負荷低減、またフルオラス相への電気化学的濃縮とこれによる高感度分析への展開が望める。 フルオラス溶媒として1H,1H,5H-octafluoropentyl-1,1,2,2-tetrafluoroethyl ether (OFE)を用い、OFE溶液をメンブレンフィルターに含浸させ、OFE液膜|水界面を形成した。同界面においてサイクリックボルタンメトリーを行い、通常のOFE|水界面と同程度の分極領域が得られることを確認した。種々の無機・有機・フルオラスイオンの移動反応を検討し、これらイオンの可逆なイオン移動波を確認し、溶媒間移行式量ギブズエネルギーを求めた。その結果、OFE液膜|水界面においても、通常のOFE|水界面と同等の親フッ素性を示すことが確認され、親フッ素性を有する液膜系の液|液界面電気分析が可能であることを確認した。 また本研究に関連して、鎖長の異なる直鎖カルボン酸イオンとパーフルオロカルボン酸イオンの有機溶媒|水、フルオラス溶媒|水界面のイオン移動反応の温度依存性を検討した。これよりアルキル鎖(CH2基とCF2基)の有機相からフルオラス相への溶媒間移行反応における熱力学量を求めた。その結果、両者におけるギブズエネルギーの違いが、エンタルピー項ではなくエントロピー項の違いを主として反映した結果であることが確認された。この結果は、フルオラス化合物の特異性(親フッ素性・疎油性)において、エントロピー項の重要性を示唆する点で興味深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では、親フッ素性を有するフルオラス溶媒液膜|水界面電気分析法の構築、またフルオラス溶媒・フルオラス化合物の特異性に関する熱力学的基礎知見を得ることに成功した。よって、研究は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度成功したフルオラス溶媒液膜|水界面電気分析測定系を用いて、フルオラス化合物の選択的高感度分析法の構築が可能か検討する。またフルオラス溶媒液膜|水界面において非吸着性等の特異な界面特性が現れるか、電気化学的検討を行う。
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Causes of Carryover |
ほぼ当初の予定額を使用しており、次年度に繰り越して使用する予定である。
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Research Products
(2 results)