2023 Fiscal Year Research-status Report
酸・塩基性物質の電気化学検出法のウェアラブル化と心理的ストレス評価センサの開発
Project/Area Number |
22K05176
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
小谷 明 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (40318184)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 電気化学 / 分析化学 / 酸性物質 / アガロースゲル / スクリーン印刷電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、酸・塩基性物質を特異的に検出できる電気化学検出をハイドロゲル電極に導入し、心理的ストレスのバイオマーカーを非侵襲的かつ経時的にモニタリングできるウェアラブルセンサを開発することを目的とする。具体的には、遊離脂肪酸とアンモニアの定量分析に適用できるハイドロゲル電極を開発し、ウェアラブルセンサの感応部への適用を試みた。 本年度は、スクリーン印刷電極をアガロースで被覆して作製したハイドロゲル電極上に検液を浸漬させ、この検液中の酸性物質の濃度が定量可能か検討した。ハイドロゲル電極表面に、酢酸の標準溶液を浸漬してボルタモグラムを測定したところ、-160 mV vs. Ag/AgClに酢酸に由来するキノンの還元前置波が観察された。還元前置波のピーク電流値は、浸漬した酢酸の標準溶液の濃度に比例し、5~100 mmol/Lの範囲において良好な直線性を示した(r = 0.999)。このハイドロゲル電極を食酢の酸度の定量へ応用した。バルサミコ酢を水で薄めて検液を調製し、これをハイドロゲル電極に浸漬してボルタモグラムを測定した。バルサミコ酢中の酸性物質による還元前置波のピーク電流値と、酢酸の検量線から酸度を定量した。本法で定量した酸度と、日本農林規格(JAS)が規定する醸造酢の酸度の分析法で定量した酸度を対比した。t検定を行ったところ、両法には有意な差がないことが確認された。以上の結果から、ハイドロゲル電極に浸漬させた検液中の酸性物質の濃度を定量できることが分かった。さらに、リモート計測用の小型ポテンシオスタットが、本電気化学検出に適用可能か検討した。既存の電気化学測定システムと同等なボルタモグラムが得られ、実用に供せることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、キノンのメディエーター機能に基づく酸性物質の電気化学検出を導入したハイドロゲル電極を利用して、定量分析が行えることを明らかにした。また、リモート計測が可能な小型ポテンシオスタットの導入にも成功した。これらの知見により、本研究で構想しているハイドロゲル電極が、ウェアラブルセンサの感応部に十分適用できることが示された。このように2023年度の成果は、次年度の研究を遂行する上で有益なものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ハイドロキノンのメディエーター機能に基づく塩基性物質の電気化学検出をハイドロゲル電極へ導入し、アンモニアの定量法として確立する。さらに、本法の分析能パラメータを評価し、定量分析法として十分な性能を有ることを明らかにする。
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Research Products
(6 results)