2022 Fiscal Year Research-status Report
Structural optimization of vibsanins with scaffold diversity as protein kinase C activator
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22K05464
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
柳田 亮 香川大学, 農学部, 准教授 (10598121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花木 祐輔 香川大学, 農学部, 助教 (70897818)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プロテインキナーゼC / ビブサニン / 骨格多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ガマズミ属樹木サンゴジュに含まれるビブサニンA以外のビブサニン類ジテルペノイドの多様な骨格を利用して、新しいプロテインキナーゼC (PKC) 活性化剤を作り出すことを目的としている。 本年度は「多環式ビブサニン類の合成と活性評価」を行った。サンゴジュに含まれるビブサニン類には、11員環のビブサニンAおよびB以外にも、7員環型、二環性、三環性など多様な多環式骨格を持つ類縁体が存在する。それらの多くがはサンゴジュに比較的多く含まれるビブサニンBから誘導可能である。そこで、サンゴジュ葉からビブサニンBを単離し、既知の反応条件を参考にして、ビブサニンC、ビブサニンD、アルドビブサニンB、5,10-di-epi-アルドビブサニンBへと誘導した。これらの化合物のPKCδ-C1Bドメインに対する結合能を評価したところ、ビブサニンDのみがわずかにPKC結合能を示した。次に、MOLT-4Fヒト白血病細胞株に対する増殖抑制活性を評価したところ、5,10-di-epi-アルドビブサニンDがアルドビブサニンBよりも有意に高い活性を示した。ビブサニンDおよびアルドビブサニンB、5,10-di-epi-アルドビブサニンBは5位および10位の縮環位置の立体化学が天然物として比較的多く存在するビブサニンCとは逆である。ビブサニンDの立体化学とアズレン骨格は、PKC活性化剤として知られているホルボールエステル類およびインゲノールエステルと共通する部分構造であるため、新規PKCリガンドのリード骨格となることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多環式ビブサニン類をビブサニンBから誘導、それらの生物活性を評価して、ビブサニンDおよび5,10-di-epi-アルドビブサニンBが、それらの立体異性体よりも高い生物活性を示すことを明らかにすることができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
二環式アズレン骨格を有する5,10-di-epi-アルドビブサニンBの構造をPKCリガンドとして最適化する。具体的には、1) PKCリガンドとしては不利と考えられるC-4位のカルボニル基の還元、2) PKCリガンドに必須である水素結合性官能基を導入するためC-6位への酸素官能基の導入、等を行う。 また、天然物であるビブサニンBから誘導できる5,10-di-epi-アルドビブサニンBの量には限りがあるため、同様にアズレン骨格を持ち、より単純化して合成が容易な新規リガンドの合成を行う。合成経路は既知のホルボールエステル類の合成法を参考にして立案している。
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