2023 Fiscal Year Research-status Report
Search for bioactive compounds produced by cooking and preservation processes.
Project/Area Number |
22K05500
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
新藤 一敏 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80350180)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 抗酸化成分 / ナンテンハギ / アカモミタケ / 単離精製 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請書に記載した食品材料であるサフラン、クロカワ(食用キノコ)、ホウキタケ(食用キノコ)に含有される機能性成分(抗酸化成分)及びそれらの調理プロセスでの変化(化学構造、抗酸化活性)に関しては2022年度までに口頭発表及び査読有学術論文で報告完了することができた。 そこで2023年度は新たな食品材料として数品の抗酸化活性の報告されていない材料を選択して、まずは抗酸化活性を有するかのスクリーニングから研究を開始した。その結果、ナンテンハギ(マメ科の野菜)とアカモミタケ(食用キノコ)が抗酸化活性を有していることを初めて見出した。そこでこれらに含有される抗酸化成分の単離精製・構造解析を実施した。 その結果、ナンテンハギに関してはケルセチン配糖体3種類(quercitrin, afzelin, quercetin-7-glucronide)と同定した。これらのうち、quercetin-7-glucurinideは初めてマメ科植物に含まれることが明らかとなった。現在各種細胞を用いて、詳細な抗酸化活性について評価中である。またアカモミタケに含有される抗酸化成分は、きわめて水溶性が高く、陰イオン交換樹脂に吸着してNaClで溶出されるという特異な性質を持つことが明らかとなっている。また本物質はODS系の樹脂では吸着しないが、水溶性の高い物質用のODS系カラムであるaquasilでは吸着することも判明している。 2024年度に新しいアカモミタケを大量に購入して、単離精製・構造解析を決着させるとともに、これら成分の調理による変化についての検討も加えていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した食品材料(サフラン、クロカワ(食用キノコ)、ホウキタケ(食用キノコ)に関する研究は完了し、学術報告もほぼ終わっている。このため申請書には追加でスクリーニングを行って新しい材料を見つけるという作業に移行済である。
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Strategy for Future Research Activity |
残る1年の期間で、新たな抗酸化成分含有食材として見出したナンテンハギ(マメ科野菜)とアカモミタケ(食用キノコ)についての決着をつけるのが現在の目標である。ナンテンハギについては活性成分の同定はほぼ完了しているが、2024年4月に昨年の10倍量を購入して、さらなるminor成分がないか、また細胞を用いて成分の有用性(抗酸化活性)を確認する。アカモミタケについては、2024年9月に材料を大量購入し、活性成分の単離精製・構造決定までは必ず完了させたい。もちろんできれは活性成分の生理活性成分評価まで行う予定である。 またサフランのカロテノイドに関連した成分を含む食材としてフリージア花にも以前から注目していた。ここに新規なケルセチン配糖体が含有されることまでは明らかとしているため、可能であればこれら成分についての研究も付け加えて実施していきたい。
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