2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of genetic factors contributing yield, and development of DNA markers to breed high-yielding persimmon cultivars
Project/Area Number |
22K05622
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
尾上 典之 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 主任研究員 (50613121)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 博幹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 室長 (10370537)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | カキ / DNAマーカー / 高次倍数体 / 六倍体 / 多収 / 収量 / GWAS / 果樹 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、六倍体であるカキの高次倍数性を考慮したゲノムワイド関連解析(GWAS)により、収量性をはじめとする有用形質とリンクした遺伝子座(QTLs)を見出し、優良個体の早期選抜法を開発しようとするものである。本年度の取り組みは、前年度見出した4形質(果肉の粉質程度、果実重、枝幹害虫被害の有無、主幹直径)に関わるQTLsを簡易検出可能なDNAマーカーの開発である。 1. 果肉の粉質程度とリンクしたQTL多型を簡易検出可能なDNAマーカーを作成した。GWASに用いた5集団(N=269)において有効性が確認できたが、多様な遺伝資源(N=198)において有効性は明確ではなかった。このことは本マーカーの有効性が限られた遺伝背景をもつ個体に留まることを示唆している。一方で、本マーカーはKompetitive allele specific PCR法に基づくもので、高次倍数体特異的な量的な遺伝子型を識別できている。今後、本マーカーが有効な集団の特定を進めるなかで遺伝子量と形質との関係を解析することで、倍数化がもたらす果樹の形質発現への影響の研究に新たな展開をもたらす可能性がある。 2.果実重、枝幹害虫被害の有無、および主幹直径とリンクしたQTL多型を簡易検出可能なマーカーの作成には至っていない。この原因は、標的QTLsの周囲に塩基置換が多く、サンプル間で共通して保存されている配列がプライマー設計上の適切な位置に見いだせなかったためである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体としては計画通りに進展している。GWASによるQTLsの同定はスケジュールよりも前倒しで完了したため今年度は実施しなかった。DNAマーカー開発は当初から難航が予想されたため2年間かけて実施する予定であり、今年度は4形質に関わるQTLsのうち、1形質について多型を検出可能なマーカー開発するに留まっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り研究を進められる見込みである。果肉の粉質程度とリンクしたQTLを簡易検出可能なDNAマーカーについては、QTLの遺伝子型が分離する交雑実生集団を用いて、マーカーの有効性を検証する。開発がやや難航している果実重、枝幹害虫被害の有無、および主幹直径とリンクしたQTLを簡易検出可能なマーカーについては、マーカーの種類を変えて再度作成を試みる。その後、検証用の交雑実生集団を選定してマーカーの有効性を検証する。
|
Causes of Carryover |
当初見込んでいた交雑実生集団を用いたDNAマーカーの検証ができなかったため、特に人件費と物品費の使用が少なかった。次年度に本検証を実施するとともに国際学会での発表に係る費用に用いる。
|